はじめに、世界経済の現状を確認するために4枚のチャートを載せよう。
china-us-pmi
breakeven
sp-500 上からそれぞれ、

  米国のISM製造業景況指数
  中国のCAIXIN製造業PMI
  米国のインフレ期待を表す10年ブレークイーブン
  S&P 500

である。これを見ると、米国景気は2015年末から2016年初にかけて小減速してから、2016年前半から一貫して加速していることがわかる。S&P 500だけは秋に大統領選を警戒する形で一回調整してから、大統領選を通過した後に景気を追いかける形でラリーした。

 米国と中国の製造業景況感の相関はとても高く、因果律としては米国景気の変動に対して中国景気が敏感に反応する、というよりは逆だろう。実際、製造業景気指数では中国が若干先行している。非常に大ざっぱに言うと、2015年に中国の重厚長大産業が減速した結果米国景気も減速し、2016年に入ってから中国が住宅投資の好調で切り返すと米国の製造業にも恩恵が及んだというのが最近の相場である。

 米国株は大統領選の後から急騰したように見えるが、それの大半はトランプ新大統領の経済政策(トランポノミクス)への期待というより、オバマ大統領時代から続く米国の景気加速を織り込んでいる形である。従って、今後の調整はトランプ大統領への失望売りという形を取る限りは小規模にとどまり、代わりにトランプ大統領が(貿易戦争などで)この景気加速をへし折りに行くリスクが注目されると思われる。逆に新たに減税など財政政策が実現した場合はポジティブサプライズになるだろう。一般的に、共和党政権の時の方が米国株のパフォーマンスが悪いことに留意すべきである。

topix
 テクニカルから見ると、米株は過去最高値なので何もわからないが、日本株はTOPIXが2015年から2016年にかけて作られた巨大なヘッドアンドショルダーズの右肩を上にブレイクしているため、1700の最高値を更新しに行くトレンドにある。全体的に今はサブプライム前の2006年にいる感覚である。米国の政策金利がさらに引上げられ続け、日本で国際分散投資や長期投資、持たざるリスク、脱サラ、1億円儲けたなどという話が出回るあたりが天井になるだろう。

この記事は投資行動を推奨するものではありません。



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