BOJ-ETF-1
 7/31の日銀金融政策決定会合の後、金利コントロールの柔軟化と共にETF買入ペースの柔軟化も始まったのではないかと一部で話題になっている。日銀のETF買入は今まで機械的にやっていると思われており、ルールは公開されていないが一般的に「前場でTOPIXが0.4%以上下落した場合」に行われると考えられていた。ところが、8/155は0.43%安、8/16は0.42%安でそれぞれ前場が引けたにもかかわらず、午後にETF買入れが実行されなかった
 
 7/31の日銀金融政策決定会合において、金利と共にETFの柔軟化が既に声明文に入っているのは7/31の記事で取り上げた通りだ。

 「ETFは年間6兆円というペースの維持。どさくさに紛れて「TOPIX系ETFの買入れを増やす」と「市場の状況に応じて、買入れ額は上下に変動しうるものとする」が挿入されている。形骸化した量的目標と同じ、ETFも今後6兆円未達でも構わないと宣言したわけだ。これぞステルステーパリングの真骨頂である。なお量的目標の例を引くと80兆円の目標に対して2017年実績のマネタリーベース増は50兆弱であった」

 もっとも現在のところ、金利や量と違ってETFの方の運営は大きな変更が見られない。「これまでの買い入れペースはイーブンレベルから1600億円ほど上回っている」ため、たとえ運営の仕方が変わっていなくても多少の調整があっても不思議ではない。冷静に考えて「TOPIXが前場で0.4%以上下落した時に必ず一定額を購入する」と「年間6兆円のペース」は両立し得ない。機械的に執行すると株式指数が強い年があれば未達になるだろうし、弱い年は買いすぎになる。しかも目的が量的緩和ではなく「リスクプレミアムの圧縮」であるならなおさら機械的に運営する必要がない。金利の量的目標と金利目標の両立と同じく、これが破綻することもなく着地してきたのはひとえに現場の調整力のおかげだろう。「いろんなシナリオを考慮し、年間6兆円のペースに着地できるように買入ルールを決めろ」と言われたスタッフは大変だっただろう。

    今回の買入見送りが「調整の範囲内」なのか「ステルステーパリングの始まり」なのか意見が割れているところだが、一足先にステルステーパリングが始まっていた金利の方の例を引くと、7/31以前に何度も恣意的なオペスキップや減額があった。そこに深い意味はなかったし、日銀が何かメッセージを出そうとしてやったわけでもないことが明らかになっている。政策変更があれば日銀は7/31のようにきちんとアナウンスするだろう。そして、ETFに関しては既に「柔軟化する」とアナウンスした。足元の空気を頑張って読まなくても、今後6兆円のペースから(よほどのことがなければ下に)ブレ幅が大きくなっていくことは決定事項だと思って良いはずだ。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。



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