4日に発表された8月の米国のISM製造業景況感指数は61.3と2004年5月以来の高水準となったが、市場でこれを好感する動きは限定的であった。60近辺まで上昇したことは1987年以来5回しかない。まさに好景気である。
ISM 1987
 過去30年のISM製造業を並べてみると、60を超えるような超強気場面の後には毎回1年以内に急落し、50割れかそれに近い水準を付けている。上がったものは下がると言えばそれまでだが、水準としても60超えが天井だし(更に1970年代まで遡ると70台もあったが)、60近辺で高原のように長続きすることもなかった。

 好景気が長続きしない理由はよくわかっていない。すぐに思いつくのはFedが過熱の兆候を認めると金融政策を引き締めるからというものがある。ISMが60に近づく時、確かにコアCPIと短期金利も上昇に転じていることが多い。しかし高金利で痛むならともかく、政策金利が上昇に転じるとISMがたちまち悪化を始めるとは、直感よりも脆弱である。2011年は欧州債務危機の影響か、ゼロ金利のまま60近辺から転落している。

 さて、今回のISM製造業の60近辺での滞在も短期間で終わるか、それとも今回は違うのか。今までの短期金利の上昇トレンドの中ではISM製造業は下落トレンドが多かった。しかし2016年から始まった今回のゆっくりとした短期金利引き上げサイクルではISM製造業も息の長い上昇トレンドを見せている。一方、確かにファンダメンタルズ的には貿易戦争をはじめとする懸念材料が山積みである。
ISM vs us 10 year
 米国の長期金利はISMに反応を示すことが多いが、ピークアウト場面にまともに反応したのは1994年であり、それ以降はスルーしている。どうせ長続きしないと市場参加者は思っていたのだろうか。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。



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