EUR GDP vs CL1
 2018年前半のメインテーマの一つとなった原油高は、100ドル説も囁かれた夏から急激に原油安方向に切り返している(下図)。きっかけはサウジアラビアが記者殺害事件で原油安を志向するトランプに弱みを押さえられ、減産を緩和したためである。あまりにも急激な下落であり、またたまたま米国のFANGバブル崩壊とタイミングが被ったため「世界経済の減速が示唆されたことでリスク選好度が低下した」などと解説する声もあったが、もちろん的外れである。そもそも原油高も世界経済の加速を示唆しない。
 
US Unemployment
 2014年〜2016年の原油急落は黒田日銀を焦らせただけでなく、その急落を招いた米国のシェールガス企業の信用と設備投資、雇用を悪化させ、米国の利上げをも遅らせたと言われる。雇用の悪化はいまにしてみればたかが知れている(図は米国の失業率推移)が、石油以外の業界で働く消費者のガソリン代支出の削減による消費増を打ち消したと言われる。ところがシェールバブルが一巡した今ではシェールガスの設備投資や雇用での存在感は4年前よりも小さくなっている。

 原油輸入国にとっては米国の場合よりも遥かに単純に好材料である。欧州圏のGDP(冒頭上図)は原油価格と弱い負の相関を持っている。リーマンショックを入れるのはずるいのではないかという批判ももちろんあるだろうが、少なくとも逆ではない。我々はエア石油王のように天下国家を考えがちだがあくまでもしがない一消費者である。原油安は当然ありがたいものだ。上がりさえしなければ乱高下でも構わない。

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