EEM
 年末の下げを軽快に取り戻す米株を横目に、新興国株が苦戦している。本ブログは12月初旬からパウエル議長のスタンス変更を見て新興国株を選好してきたが、新年にワークして2019年のコンセンサスビューが見事に新興国推し一色となってからは新興国株は鳴かず飛ばずとなっている。ドル建て新興国株ETF「EEM」とS&P 500連動ETF「SPY」の対比を見ると、本ブログくらいのタイミングでエントリーしていたらまだEEMに分があるが、2019年に入ってからは「素直に米株にしておけば良かった」という展開となっている。

Em Curncy
 希望が見えていると言っても足元の世界景気が悪いことは間違いなく、余ったお金が世界中に流出する場面ではない。相対的に体力がある米国の方が力強く見えてしまう。またFedが利上げを凍結したと言っても米金利の絶対水準はまだまだ高いし、Fedのバランスシート縮小もまだ続いている。またFedがハト化した途端に多くの新興国中銀もハト化したため、新興国通貨(MSCI Emerging Currency)は対ドルで堅調地合いは崩れていないものの停滞している。

 「Fed利上げ凍結トレード」として新興国を推す声は大きかったが、さっぱりパフォームしないまま時間だけが経っている。ということはいつでも割高感を感じずにエントリーできるため、時間が経つにつれて新興国投資がクラウドポジションになっていく恐れもあるのではないか。ドル高・米株独歩高がペイントレードに見えなくもない。もっともFedがスタンスを再びタカ化させるまでは相当時間がかかるだろうから、ダウンサイドも限られていると思われるが。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。