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 Fedで荒れたところで再びS&P 500をテクニカルで見てみたいと思う。前回の記事では「最後の関門である2817を突破」したため「安値の2350より先に高値の2940を先に付ける」ことを暗示するチャートになった、としていた。もっとも教科書的なサポートも遠すぎるため、(2007年と2016年の2パターンを想定しつつ)「2016年も二度と下で買い戻せる場面がなかったのかというとそんなこともないし、見てきた下値と比べるとあまりにもオッズが悪くなっているというのも変わっておらず、上でドタバタしたくないのも事実。ただ押し目が来たら果敢に押し目買いしたいというのは前から変わらない」と今更積極的に上を追い掛けるよりも押し目を待ちたいとした。結局、2817を突破した後はせいぜい1%強しか伸びないまま、FOMC後の強い景況感警戒で反落してしまった。

 もちろんFOMCで株価への配慮が足りなかったわけではなく、むしろ配慮しすぎて市場参加者に痛くもない腹を探られた感がある。米株が景況感の悪化が全開な中でもクラッシュから異常と思えるピッチで回復してきたのは大半がFedのハト化とショートカバーに支えられたものであるため、利上げ中止が100%、150%現実になっても勢いが続かないと分かると途端にドライバーを失う。勢いよく打ち落とされると高値警戒感がくすぶり出すのは仕方がない。中国のクレジット回復や財政拡張ももちろんあるが、少なくとも実際に米中景況感回復が見えるまでは、いざ逆境になると高値から粘る根拠としては頼りない。また中国の減税策が長期的に経済に有益であるにしても、2017年ほどのグローバルブーストを演出するほどではないだろう。それまでは12年ぶりに現実になった「長短金利逆転」が話題をかっさらって行きそうだ。

 長短金利逆転はリセッションの良い預言者であるとしてもリセッションまでは1年〜1年半の余裕があり、インバート後の株のパフォーマンスも悪くないものの、いよいよチキンレースの自覚が必要となってくる。明らかに「S&P 500が3,000に行けばこの長期ポジションはいくら儲かる」と画餅している場合ではない。12年前のサブプライム前の相場について勉強した時は我々は「全力で株を買って、長短金利逆転を見てリセッションを予想して株を売ればいいじゃないか、簡単簡単」と思わなかったか。一方、リセッションの前に世界中同時金融緩和の波が来ているのも事実であり、また長いチャート的にも右肩ブレイクがまだ効いているため、12月の底に向けて大きくクラッシュするようにも見えない。結局、逆張りの精神で押し目買いと早めの利食い回転に尽きる。テクニカルには先週の週足上ヒゲ陰線のヒゲにあたる2860がレジスタンス、サポートは先々週安値の2720付近とネックラインの2640付近となる。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。



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