SPX Daily
SPX Weekly
 S&P 500はこの一週間指数としてはあまり動かなかった。「米中貿易交渉再開については(中略)少なくとも9月いっぱいはあまりネガティブなヘッドラインを警戒しなくても良さそう」「テクニカルにはやはり2820 -2950のレンジブレイクが大きい」「先週安値の2890、そしてすっかり遠くなった2820をサポートとして意識しながら押し目買いを図っていく形」とファンダメンタルズ、テクニカルの両面から押し目買いがワークすると予想したが、押し目はせいぜい2980から2950程度までで、そのまま3000を回復した。全体的に、小動きながらも堅調な動きとなった。
 
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 S&P 500指数は小動きだったが、いくつかの市場では大きな動きが生じた。米中貿易戦争が一転して解決に向かうという雰囲気の中で米金利(中図)は1.6近辺から1.9まで急騰。それに合わせてグロース銘柄からバリュー銘柄への急激なセクターローテーションが生じた。上図はS&P 500 GrowthとS&P 500 Valueの比である。これは多くの投資家にとってペインであったし、グロースに投資したくて株を買っている人からすれば株そのものから離脱するきっかけとなる。一方、景況感が悪く金利が低下する中、景気と関係の薄いからこそグロースへの逃避が起きていたことを考えるとその反転は必ずしもバッドニュースではない。

 ファンダメンタルズ的には良いニュースばかりだった。「9月いっぱいはあまりネガティブなヘッドラインを警戒しなくても良さそう」としていた通り、貿易戦争において米中双方は急速に先送り方向に歩み寄りを見せている。強硬派のボルトンが首になった。それでも妥結するわけがないという参加者は長い苦しい忍耐を要求されそうだ。ECBは10bpの利下げと共にオープンエンドQEとTLTROの条件緩和、また利下げの副作用を緩和するために階層構造を導入(これが実効政策金利の引上げに繋がったという声もあり、週後半の金利上昇加速に寄与した)という満額回答を打ち出した。
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 ポジショニングとしては相変わらずポジションが軽い参加者が多いように見える。バンカメメリルによるとヘッジファンドのシクリカルへのベットは過去最低となっている。またそもそもの株へのベータも低下してきた。リスクパリティについては、VIXは8月の一度22超えをマークしたことから8月中からダラダラと株ポジションの縮小を続けてきたはずだ。9月の激しい金利上昇は間違いなくリスクパリティファンドの債券部分に打撃を与えており、素直に考えると10月初めにでもリスクパリティの売りが降り注ぎそうと思われるが、既に彼らの株ポジションが限定的になっているならマグニチュードも限定されるかもしれない。

 テクニカルにはS&P 500は一時過去最高値に肉薄していたが、流石にその水準では売りに押された。一方で浅い押し目となった2950が週足下ヒゲサポートとなりそうだ。 再び指数はチキンレースの領域に突っ込んでおり、今度は(先週の2890に代わって)2950を背に丁寧に押し目買いというところか。足元の景況感は米国を中心にいまいちだが、諸悪の根源である貿易戦争が緩和されるなら過去最高値も特にレジスタンスにならない。一方、リスクパリティの売りが警戒される中で、更なる金利暴騰のショックなどで2950が再び下方向に割られた場合は素早く撤収したい。
EWJ
  ところでシクリカル要素が強すぎるためバリュー株と一緒に敬遠されてきた日本株も、S&P 500がじり高にしかなっていない中で爆騰している。米国上場の日本株ETF「EWJ」は出来高を伴って年初来のレンジを上に抜けている。今からでは少し乗り遅れた感も否めないが、一般的に米金利高を好感する日本株の堅調さは続きそうだ。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。



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