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 S&P 500の無双が続いている。先週の記事では「テクニカル的には完全に上抜けであり、先週から本ブログが警告していた通り、逆張り売りのリスクが高い構図が続いている。週足的には短い下ヒゲと既に抜けた水平トライアングル上辺に当たる3023がサポート。米中貿易交渉が会場変更をものともせず進んでおり、朝起きたら一気に下に突き抜けていた可能性が高くない以上、サポートを下に抜けるまでダラダラと引っ張るのも手か。朝起きて米金利が10bpも20bpもドカドカ急騰した場合は株ポジションを処分した方が安全かと思われるが、どちらかというとゴルディロックがダラダラと続く可能性の方が高いように思える」としていたが、果たして3023を下に抜けたら切る覚悟でダラダラと引っ張るのが正解であった。ゴルディロックスの予想は外れ、木曜の夜には実際に米金利が10bpも急騰したが、日本株とJREITが揺さぶられただけで米株は結局浮力に負けている。
 
 ファンダメンタルズ的には「米中交渉は段階的解決で合意」というヘッドラインで上がったのがトランプに否定されたり、米金利が一週間で20bpも急上昇するなど内憂外患が続いたし、実際外縁部のアジア欧州株が強いだけで米国時間は売りも多く週間5日中3日は上ヒゲ陰線で引けているが、それでも週間を通して浮力が勝っている。これはテクニカル通りでもあり、また「調子に乗ったリスクオンの後にやって来がちの「債券売られる →リスクパリティの債券売り株売りが発動」が直ちに発動される可能性は高くない。しかも売るような株ポジションも既に減っているのではないかと考えている」「2018年まで遡ってもVIXショック以降10が下限となっていたためダウンサイドも限定的になっているが、もしこの水準での推移が続く場合、リスクパリティの買い戻しが発生する可能性もある」などと本ブログが毎週指摘してきた通り、白けたポジショニング通りでもある。

 さて今週。ショートカバーとリスクパリティのポジション復元と、米中貿易交渉のヘッドライン疲れのせめぎ合いということになるだろう。既にヘッドライン疲れが見えてきた株より反応が一足遅い(プロなので情報は早いはずだがプロだからこそ思考が硬直的である)債券市場だけは今更神経質になって浮足立っており、リスクパリティが売り余力を持っていないにしても米金利上昇は米株にとってはグッドニュースではない。テクニカルには木曜までは週足上ヒゲ陰線化も現実的だったが、結局金曜は謎の上昇で週足も下ヒゲ陽線となった。3065はサポートとなるが、もし破られた場合は既に突破されたトライアングル上限の3020が次のサポートとなる。個人的には上値を買い上げて果敢に獲るターンは既に十分続いており、次は上でリスクを落としつつ押し目を果敢に拾っていく場面になるのではないかと思う。ここから慌てて上を買ったり下を売ったりはしたくない。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。