China PMI 
 週末に発表された中国の11月国家統計局(NBS)製造業PMI(棒グラフ)は意外と50を再び上回った。財新製造業PMI(点線)が一足先に2017〜18年の天井に近い水準を付けてきたのに続く動きであり、この回復により本ブログが取り上げてきた「中国景況感の謎の春」は大企業にも波及してきた、という形となる。
US EU PMI
 この動きは欧州や米国の製造業PMIの秋以降の反発、及びにも整合的である。(民間中小企業が多いとされる)財新の方の反発は「中国国内で大掛かりに進んでいる5G通信の基地局整備」に伴う特需であったという声もあるが、もしかしたらNBS PMIは財新の波及というより、グローバルPMIの反発とのシンクロという言い方の方が正しいかもしれない。そもそも、財新PMIが重視されているのはかつてHSBCが作成していた時代に「NBSは信用できないけどHSBCなら嘘を付かないだろう」と思われていた名残りであり、中国の民間中小企業が好景気を満喫していたところでシクリカルなグローバル大企業に恩恵があるわけではない。

 
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 では少し前に発表された中国の工業利潤がチャイナショック以上の落ち込み幅を見せたのはどういうことか。もちろん東南アジアへの移転効果もあるだろうが、それ以上に本ブログが指摘してきたようにPPIが戻っていないからではないか。多少PMIが跳ねたところで、2017年のような好景気に戻ったというわけでは決してない
 
 ローカル勢の解釈として、中金公司は「この反発は鉄鋼(41.3→45.4)主導であり、なぜ鉄鋼が反発したかというと今年が暖冬であり冬遅くまで土木工事を続けられたからである」と身も蓋もない。一方中泰証券は「輸出新規受注(47.0→48.8)の回復」を重視した。もっともどちらも「この反発は長く続かない」としている。
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 では一体どちらがより中国景況感を正しく表現しているかというと、生産活動に密接に関連する発電量と電力使用量を見てみよう。薄い青と濃い青で月次伸び率・累積伸び率を示している、上と下で色と項目の組合せが反転しているという部下が作ったならブチ切れるようなわかりづらいチャートだが、どちらも目立った落ち込みもV字反発もないことを示唆している。

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