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 先週の記事ではS&P 500に「ここからは3065のサポートは再び強化される。調整が済んだ後なので引続き逆張りの売りは禁物である」「調整局面ではVIXが高騰する場面もあったが、所詮17台ならリスクを積み始めのリスクパリティを揺さぶることはできないだろう」「経済指標はISMを完全に無視するのはやや楽観すぎに見える。一方、決め打ちショートも分が悪い。レンジを想定しながら3065を背に慎重に押し目買いというところだろうか」と押し目買いスタンスで臨んだが、例のごとく押し目待ちに押し目なしのまま(週初めに0.5%程度の調整があったか?)上昇した。ショートと言わなくてよかったというところか。
 
 今週を通過して政治リスクは大幅に低下した。イギリス総選挙は「週後半にはイギリス総選挙が控えているが、ここでびっくり仰天な結果になるイメージもない」と無視を決め込んだが、果たしてBrexitのような結果は何度でも起きるものではない。米中貿易交渉Phase 1は北京時間金曜の深夜に結果が発表された。香港やら新疆やらの政治ノイズが交渉に影響を与えた形跡がない一方、知的財産云々でもめる前に農産品の購入と関税のロールバックのバーター時点で盛大に難航した雰囲気が漂っていた。結局前もって噂されていた50 bioUSDの農産品購入と関税半減のディールと比べるとだいぶしょぼいディールとなった。だがとにかく12/15の第4弾関税は回避された。期待していたのが期待外れになった参加者がいたと思われる一方、他のネタでリスクを取りたいのにイギリス総選挙と第4弾を待っていた参加者もいただろう。「第4弾回避が依然多数派と思われるため、たとえそう決まっても壮大な踏み上げにはならなそうに見える」としていたが、実際「決まった後」は壮大な踏み上げはなく、金曜のS&P 500はほとんどフラットで引けている。米金利だけは大きく低下した。ここからアップサイドのきっかけもなければ、大きくクラッシュするネタも思い付かない。
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  テクニカルには最高値更新が続いているためまだレジスタンスはなく、引続き3065がサポートとなる。ポジショニングとしてはVIXの上昇が17で終わったことからリスクパリティの買戻しが進んでいることだろう。次に米金利が急騰すれば再びリスクパリティのポジション圧縮が見られると思うが、今のところFedが金融政策をしばらく変えそうにない中、急騰しそうな雰囲気はない。お金はまだじゃぶじゃぶである。ただ引続きゴルディロックスと言う割りにはややオッズが悪化してきており、やや注意深くモニターすることが必要だろう。もうすぐクリスマスということもあってどちらかに大きく張るというよりかは引続き押し目待ちだろうか。

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