SPX Daily
SPX Weekly
 前回の記事では「もうすぐクリスマスということもあってどちらかに大きく張るというよりかは引続き押し目待ちだろうか」とやる気のない結論で締めたが、クリスマス寸前まで粘ってリスクを取るが正解だったらしい。S&P 500はどんどんメルトアップしてしまっている。
 
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 メルトアップの背景はFedの流動性供給に尽きる。2018年から粛々と進められてきたQT (Quantitative Tightening、流動性引締め)はわずか3ヶ月で半戻しとなった。QTの間の株のリターンが悪かったかというとそうでもないので流動性を絶対視するのは危険だが、とにかくメルトアップの材料になっているのは間違いない。
MSCI PER
 バリュエーション的には、S&P 500ではないがMSCI USのフォワードPERは2017年年末以来の水準まで上昇してきた。溢れる流動性で(利上げが続いていた)2017年年末以上のバブルになる可能性もなくはないが、基本的にEPSが上を向いて来ない限りチキンレースの範疇ではないか。
SPY Volume
 テクニカルには先週と同じくレジスタンスがない。週足サポートは依然3065である。メルトアップに従ってS&P 500連動ETF "SPY"の出来高は急増している。これは激しいショートカバーが起きていることを示唆している。リセッションを恐れていたファンダメンタルやクオンタメンタルな機関投資家の次にショートもあぶり出されたとなると上昇の燃料はだんだん減ってくるが、一応新たにお金がどんどん入ってきている可能性も否定されない。
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 先週末を待たずにSPYのショート建て玉は急減している。10月の上昇局面に建てられたショート玉は11月から急速に畳まれて昨年年末の暴落前の水準まで減っている。リスクパリティファンドもその間株エクスポージャーを増やし始めているようだ。
HYG
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 カナリアのハイイールド債のメルトアップは更にひどい。「引続きゴルディロックスと言う割りにはややオッズが悪化」しているとしていたが、これは先週に関しては完全に余計な心配だった。しかしトランプ大統領が大好きな株式指数はともかく、クレジットの過熱が長期間にわたって放置されるとは考えづらい。これ以上のメルトアップに付き合う必要は全くないように見える。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。