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 先週のS&P 500はレンジに始終した。本ブログの目線が「2660 -2950レンジ」から「2800 -2300レンジ」に移行した途端に、首の皮一枚になっていた2950のレジスタンスは再びワークし週明けから軟調であり、2800も下にブレイクされてしまった。しかも「2800を割ったら撤退準備」としていた割りにはブレイクされても下に走らず、4月中旬からの長いレンジの真ん中まで戻って来た。
 
 「想像できるリスクオフ材料は貿易戦争の再開とCovid 19の欧米のケース数の再増加か」としていたが、両者共に近い形で現実化しつつあり、米中間の緊張と米国各地のロックダウン延長が週前半の下落に繋がった。一部で高まっていたらしいマイナス金利期待はパウエル議長のスピーチで払拭も強化されもされず、ただ経済状況のトークダウンだけが残った。しかしやはりポジショニングがあきれるほどロングに偏っていないのが効いて2800を割ったところでガラガラと続落とはならず反発した。
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 ポジショニングはGSによると「極端なまでに軽い」水準に食い込んでいる。
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 なおDBによるとそこから買戻しの動きもあり、更にそこに米株ファンドのアウトフローが被さっている。アウトフローはノルウェーSWFから37Bio USDの取崩しなども話題になっている。これらの売りと買い戻したかったフローがぶつかって結局レンジ、というところだろうか。
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 ファンダメンタルズは悪化の一途である。一応民主党が提案した3兆ドルのHeroesパッケージが出ており、それを共和党が完封するとは考えづらいので更なるばら撒きとしてグッドニュースではあるが、基本的にはそのまま欧米、中国共に第二波に突入しそうな雰囲気となっている。バリュエーション的には当然高い。図のようなV字回復を描けないと正当化しづらいだろう。

 テクニカルには、2800の短い下ヒゲがブレイクされたため下ヒゲ陽線の役割は終了し、再び2950がレジスタンスとなる。日足はダブルトップ気味にも見える。一方、下の2800を割ったところで走らずショートカバーが優勢になった地合いにも大きな変化がなく、下で追撃売りを立てるのは分が悪い。週足は2950レジスタンスが再確認された状態であり、現水準からなら2950を背に売って踏まれるリスクは大きくないように見えるが、下に走る希望はほとんどなく、値幅はあまり期待できなそうである。サポートとなる週足200SMAは2670まで上昇しており、2670 -2950レンジとなるか。もっともサポート〜レジスタンス間のフルレンジというよりはただただグダグダとした展開を想定。サポートを割ってもレジスタンスを抜けても追いかける価値がない、というところか。なお2950 -3140は引続き中長期的な売り場となる。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。