SPX DailySPX Weekly
 S&P 500は「中長期的な売り場」としていた2950 -3140間を一直線に駆け上がっており、あっという間に上半分まで付けた。原動力はもちろん本ブログがかねてから警戒してきたポジショニングの良さ(ショートの多さ)であり、経済活動の再開に伴いクローズで恩恵を受ける安全なNASDAQ一強からの巻き戻しも起きている。ばら撒きを受けた米国の個人の買い上げがシステマティック系のショートカバーを誘発し、この二大バリュエーションを気にしない勢力の買い上げが指数を動かしている。
 
 ファンダメンタルズ的には本ブログも含めて懸念されていた香港国家安全法への米国の対抗案が不発に終わってしまった。昨年の貿易戦争の時のようにトランプの鶴の一声で朝起きたら大クラッシュ、を期待する参加者には辛い時間帯担っている。
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 ポジショニングは先週の記事に続き全員参加ショートからセンチメントが回復して一部の参加者がショートカバー中というイメージが強い。マネージャーのキャッシュ比率もわずかだが下がり始めた。
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 珍しく出回った野村クオンツのポジショニングでは、CTAは暴落以来ずっとNDX先物ロング、ラッセル2000とダウ先物ではショートカバーからの再ショートとなっており、これだけを見ると必ずしもネットショートで捕まっているわけではない。先週はこの入り繰りがやや畳まれているような地合いとなった。これをリーダーが失速したと見るか、膨らむ時価総額の方が大きいと見るか。
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 バリュエーションは引続き高くて面白くない。
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 カナリア達は堅調地合いを示唆している。個人が主導したラリーに機関投資家も付いてきた形となる。

 テクニカルには2750 -3000のレンジはがっつり上に抜けられてしまった。依然3140は中長期的に強いレジスタンスとなるが、週足は下ヒゲ陽線となり2970がサポートとなる。従って短期的には2970 -3140のレンジとなる。もし2970を下に抜けた場合は2750 -3000レンジに復帰しそう。3140を上に抜けた場合はとても解釈が難しくなる。長いヘッドアンドショルダーの右肩がブレイクされることになるので過去最高値を更新しに行く勢いとなるが、下手に長期的なシグナルなのでその後長期的な希望が残したままドローダウンしていくこともあり得る。3140ブレイクが見られた場合ショートが残っていれば流石に畳むべきだろうが、改めて買うにしてもどこかで押し目買いというところか。なお毎回の滞在時間もバラバラであっても不思議がないので、想定レンジの広さにはボラティリティへのインプリケーションはない。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。