Spx dailySPX Weekly
 先週のS&P 500はそれまでの2970 -3140レンジから下には抜けず上に切り返した。わざわざ「2965から日足50SMAの2950にかけてのサポートは消滅してしまう」としていたがその水準を掠りもせず、月曜からリスクオンが始まり週足は大陽線になってしまった。先週の上ヒゲ陰線のヒゲレジスタンス3155は木曜の雇用統計をきっかけに突破されてしまった。つまり先週の記事の完全に逆に行ったわけである。もっとも、「この近辺は2度も跳ね返っているので、何かのきっかけでブレイクできればそれなりに信用できるブレイクとなるが、依然上には雇用統計アイランドが立ち塞がっている」と悩んでいた通り、ブレイクした木曜日足はそこで上ヒゲ陰線に終わっている。

ISM
 ファンダメンタルズ的にはISMは先月中に発表された連銀サーベイを追う形でよかった。これまでのV字回復ではISMだけがやたらと反発が遅いケースも多かったためこれは素直に好感されたようであるが、これはISM回答者の大企業の担当者が重視している欧州、中国など海外もきちんと反発しているのが背景と思われる。雇用統計の方は、経済再開に伴い当然ながら娯楽宿泊や小売といったサービス業の頭数が回復しているが、一方で長期失業に突入した人数も増え続けている。ここからは新たに感染が拡大していくつかの都市の再開が止まった後の数字と、7月で切れる失業給付積み増しの延長があるかどうかの方が重要になりそう。債券市場は雇用統計を完全に無視した。
HYG
VIX
 カナリアは概ね株と似たような解釈であったが、ハイイールド債はS&P 500と異なり6月後半の高値まで戻り切れていない。VIXはレンジ下方ブレイクリスクが遠ざかったため素直に下落している。
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 ポジショニング的には「ショートカバーは一巡したが株ポジションの重い参加者も少ない」が継続してそうである。ファンドフローは白けた流出が続いているようだ。

 テクニカルには先週の週足上ヒゲ陰線が否定されてしまう。もっとも否定したところが更に日足上ヒゲ陰線になっているため上値の重さはあまり解消されない。一方、否定された上ヒゲ陰線の下限と週足及び日足の50SMAが集まる3000近辺は相当硬くなっており、ショートはここに至るまでに畳まれるべきに見える。もっともそこから更に3000をもう一度下に割った場合は、雇用統計アイランドからのA波とフラッグ状のB波に続くC波が始まったように見えてしまうだろう。逆に木曜上ヒゲの3165を更にブレイクしたら「引き付けてのショートエントリー」は撤退に追い込まれる。基本的には3000 -3165のレンジが継続しそうに見える。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。