SPX DailySPX Weekly
 先週のS&P 500はFOMC前は浮力が強かったが、先週の記事で「今週はFOMCに注目。金融政策ネタはジャクソンホールで燃え尽きた感もあるが、ECBも特段ハト派でなかった中で「特段ハト派でなかった」が連続した場合はやや要注意」としていた通り、FOMCは失望を持って解釈され指数は反落した。

 「3588に加えて先週高値の3425も週足レジスタンスとなる。3400より上で入った戻り売りがあれば良い利食いができそうである。(中略)ここからの指数ニューショートはVIXの低迷を見てもやや冒険的であるが、3425への近づき方によってはレジスタンスの方が売りターゲットより遥かに近く感じることもあるだろう」としていたが、FOMC直前に3300中盤から3425に近付いた場面ではショートのリスクリワードが再び改善した。指数は再び3425近辺で反転したがよく見ると一時3425を突破して3429まで上昇していたので「3425を上に突破されたらチャートは再びブル転する」は全くの余計であった。「買いエントリーは淡々とした上げから大陰線連発にシフトしたところであるので依然やや日柄を要する」としていたのはその通りとなった。

VIX 
 VIXは指数が弱かったにもかかわらず盛り上がりに欠けた。特に金曜は最近毎週陰線で引けており弱さが目立つ。もっともリスクパリティに下落する指数を逆張りで買い支えさせるほどは平穏化していない。
EiHtRvaVoAEznU2
 S&P 500先物とゴールド先物がほぼ連動しながら動いた珍しい週間となった。FOMCで一体どんな追加緩和が出てくると期待していたのかとあきれるばかりである。過剰流動性のお代わりはしばらくないので、追加緩和がないことに違和感を感じるようでは相場は脆く、「大統領選までは持ちきれないが過剰流動性はどんどん出てくるのでトレンドには乗るべき」としていた参加者の振り落としがテーマとなりそう。逆に大統領選は僅差で年明けまでモメるケース以外、どちらに決まろうとトランプが当選した時のようなクラッシュにはそうそうならないのではないか。
EiIG6ADU4AEzu3H
 欧州のコロナ第二波が再び話題になっているが、米国でも第三波が小さく始まっているように見えなくもない。
NDX 
relative correction
relative performance
 しかし足元の相場がロックダウンプレイをしているようにも見えず、あくまでも8月のITバブルが自重で崩壊しているだけに見える。先週の記事で「割り込むと更にセンチメントが悪化しそう」としていたナスダックの10,800近辺は一時割られている。
 EiOeG8hX0AEsYFx 
 一方で景気敏感セクターは強いISM製造業に裏付けられる形で強く、今のところナスダックの自重崩壊を受けても指数の下げは依然限定的となっている。これからそれを無視した参加者が踏まれるか、それとも一度は指数ごと振り落とさないといけないということか。
systematic and discretionaryt
 DBのによるとシステマティックポジショニングは復元がそれなりに進んだところで足元の調整とボラティリティ上昇を受けて復元の頓挫を余儀なくされている。VIXの絶対値がまだ高くポジションを過去最高水準まで積めないことを考えると「ポジションが重くなった」だけである。

 テクニカルには週足がほぼ同水準の上ヒゲ陰線が2本並ぶ形となり、3430が週足レジスタンスとなる。その水準を上にブレイクできない限り、例えば3400に近付くにつれて戻り売りが優勢となりそう。サポートの方は依然200SMAの3100近辺とやや遠いが、そこまで調整した場合は問答なしに買い場となる。従ってその水準までショートを引っ張れる期待値は低く、先週に続き下を叩きづらい。3100〜3200は引続き買い場になりそう。

関連記事

S&P 500はモメンタムを折られた形が続く
S&P 500のITバブルが崩壊 
S&P 500は第二次ITバブルに 
S&P 500は引続き夏休みモード
S&P 500はひたすら夏枯れ

S&P 500は夏枯れの中で淡々と浮上 
S&P 500は再び夏枯れ色が強まる 
S&P 500は強引な持ち上げから失速 
S&P 500は夏枯れに突入するか
S&P 500はレンジ上方で煮詰まる 
S&P 500は再びレンジプレイに戻る 
S&P 500は経済再開・V字回復期待が剥落 
S&P 500はアイランドに頭を押さえ付けられる 
S&P 500のショートカバーが取り残されてしまう
S&P 500は全員参加型ショートカバー
S&P 500は踏み上げ相場が続く
S&P 500は依然グダグダが続く 
S&P 500はグダグダ相場が続く 
S&P 500はショートカバーで浮上
S&P 500は上値の重さを確認 
S&P 500は引続き面白くない高値レンジ 
S&P 500はアニマルスピリットを取り戻し始める 
S&P 500は既に十分な戻り幅を実現 
S&P 500がようやくあまり動かなくなる 
S&P 500は無制限QEに押し流される 
S&P 500は流動性枯渇との戦い
S&P 500はVIXが50を超えるニューノーマルへ 
S&P 500の持込み可試験はそろそろ終わる 
S&P 500は教科書二冊持ち込み可の試験 
S&P 500は再び天井サインが点灯
S&P 500は新高値に釣られず様子見 
S&P 500のバーゲンセールを期待
S&P 500は10月以来の調整入り
S&P 500は引続きメルトアップ
S&P 500は引続き座して押し目待ち
新年のS&P 500
S&P 500は年末を前にメルトアップ 
S&P 500はユーフォリアか出尽くしか 
S&P 500は一瞬だけ調整を見せる 
S&P 500は外部環境を最後まで無視し切れるか
S&P 500は高値圏でグダグダ
S&P 500は最高値でこそ長期投資を始める流れに
S&P 500は売りをこなしながら更に上値を試す
S&P 500は本当に新高値に売りなしに
S&P 500は万人の期待に反してサプライズ上抜けへ
S&P 500はやる気なくレンジ継続
S&P 500はレンジを信じた者を救う

S&P 500はISMで振り落としをかける
S&P 500はトランプ政権のせいですっかりクソゲーに 
S&P 500は7月高値を前に伸び悩む 
S&P 500は全ての懸念の壁を駆け上がる
そしてS&P 500はレンジ上限をブレイク
S&P 500は一気にレンジ下限が危うい形に
S&P 500は雨が降って地合い固まる
S&P 500はリスク非対称なレンジを作る
S&P 500は貿易戦争再開でどこまでクラッシュするか
S&P 500はひたすらクラッシュ雨乞い

S&P 500が利下げ織込みすぎから押すな押すなに
S&P 500が結局浮力に負けてしまうか
 
利下げサイクル開始でドル安に備える局面が近付くか
S&P 500が意外な粘り強さを見せる 
下抜けてもやはり煮え切らないS&P 500 

新高値に売りありS&P 500の煮え切らない調整

S&P 500の新高値に売りありの法則
 
Fedハト化でもS&P 500の勢いが止まる 
S&P 500が最後の関門を突破
S&P 500がH&S右肩近くまで一気呵成 
S&P 500の重要な水準が向こうからやって来る
S&P 500ここから上はさすがに前途多難
ようやく貿易戦争の悪影響の織り込みが終わる
S&P 500のテクニカルの続き 
全てがかかっているS&P 500の右肩 
米株指数を純粋なテクニカルで見る        

これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。


この記事は投資行動を推奨するものではありません。