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SPX DailySPX Weekly
 先週のS&P 500は全てのヘッドラインを無視してレンジを上に抜けた。一度は追加景気対策を巡る与野党協議の打ち切りにより株は大きく下落したが、大統領選前に通らないだろうと考えていたショート勢の歓喜はぬか喜びに終わった。本ブログも「一方3430レジスタンスも健在であり、引続きレンジの上半分で急いでロングを構築すべきにも見えない」「追加財政合意で3430を一気呵成に抜けた場合は流石にQEも付いてくるだろうから、3200が非常に遠くなったと考えて追いかけるしかなくなるか。逆に大統領選後まで持ち越しとなれば当然短期的に3430突破は非常に難しくなる」としていたが、一度はレジスタンスとしていた3430から綺麗に反落したが、3300中盤まで調整したところで「それでも選挙後にトリプルブルーで追加財政政策が出やすくなるだろう」という期待が繋げられ再び反発し、一気に3430を上に抜けてしまった。「3200 -3430のレンジ」の下半分についてあれこれ考える必要もなかった。

 調整の真っ只中から推していた「200SMA 3100割れは想定できないから3100 -3200は買い場」という話、ゾーンごと見事にサポートになってしまい、3200をかすっただけで今回の調整は終了してしまったようである。その後安値ショートを戒め続けた見方だけは当たり続けている。

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 システマティック投資家の高値でのポジション復元は9月の調整で一度頓挫したものの、そこから毒を食らわば皿までもと言わんばかりにしつこく買い上げている。本ブログはこれらの投資家が2019年ほどのポジションサイズまで回復できるかには懐疑的であるが、今のところ回復のペースは停滞すらしていない。
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 9月のクラッシュ時に一度正相関となったS&P 500先物と国債先物の相関は再び普段通りの逆相関に戻っている。これにより株のリスクを国債のリスクで打ち消すことができるようになるため、システマティック投資家がよりリスクを取りやすくなる。
VIX
VIX Curve
 VIXはレンジの上抜けと共に低下しており、9月中の水準よりも低くなっている。大統領選がある11月分はいまだにコブのように高止まりしているが、そのコブも低くなりつつある。先々週の記事で「大統領選がどちらかに決まるか今のところまさに五分五分であり、郵便投票の集計にも時間がかかるであろうから選挙後の混迷が警戒されている。討論の勝ち負けというよりバイデンが失敗しなければバイデン優勢の織り込みが進み、失敗すればトランプに逆転されそうという構図であるが、夏にバイデン優勢と思われていた期間の指数のパフォーマンスも悪くないので、争いが長引きそうな五分五分、つまり大統領選に限っていうと現状がワーストではないか」としていた通り、とにかく情勢が「五分五分から離れつつある」ので大統領選での不透明感が後退している形となっている。ここからトランプが盛り返せば再びリスクオフが優勢になるだろう。トリプルブルーによる中期的な財政期待と並行して短期的な追加財政出動も変動要因となるが、協議が打ち切られた後に再び再開しており取り合うのもアホらしくなっている。ある程度トラックできる景気の失速や回復と異なり足元はあくまでも政治ネタなのでどちらかに決め打ちするのもギャンブルであり、売り買いどちらも順張りして漫然と放置するのは危険が大きい。
HYG
 ハイイールド債ETFは金利上昇が続いているにも関わらず、S&P 500すら取り戻していない9月高値を更新している。もっともそれだけS&P 500の9月高値がITバブルだったということでもあるが、いずれにしろ金利上昇を期待で埋めづらいハイイールド債すら金利上昇で崩れていない中で金利上昇で株が崩れると期待するのは無理があるだろう。

 テクニカルには、3430を上に抜けたことから9月の調整は3200までで終了した形となる。3600は流石にバブルの水準ではないかと思うものの、チャートがチャートなだけに3600を背にしたショートすら安心感がない。3200は当然サポートとなるが既に遠く、トランプの協議打ち切りが作った週足の短い下ヒゲ3350もサポートとなる。従って3400近辺までの調整があれば押し目買いの買い場となりそう。一方上はこの水準を新規で追いかけたところにまた何らかのヘッドラインでドローダウンしたらアホらしいので、あくまでも押し目を狙いたいところ。3350を割れた場合は3200 -3430レンジに回帰するか。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。