US and China Revenue2
 本ブログで「中泰証券が中国失業率の闇を突っついてしまう」「ポストコロナに供給過多デフレに陥りつつある中国」「中国の個人消費は引続き弱い上に二極分化」と何度もコロナ後の中国の個人向けばら撒きの少なさを取り上げてきたが、それを定量的に取り上げたレポートが本土勢から発表されている。1枚目は米中の家計収入の前年比伸び率であり、藍色が米国、水色が中国である。ここは同スケールで揃えた方が分かりやすかったのだが米国は中国の倍のスケールである。「米国の大失業時代と「在宅に売りなし」」でも取り上げたようにコロナショック後に米国の家計は個人への一時給付金や失業保険給付金積み増しにより全体として大きく潤った。一方中国の家計所得はばら撒きがなかったので穴を開けただけであり、いまだに巡航速度まで戻っていない。家計資産はこの月々の積分であるはずなので米国家計は全体としてコロナによって豊かになり、中国家計は予定よりも悪化したことになる。
US and China Revenue
 内訳も同スケールの方がよかったが、両国ともに藍色が賃金、オレンジが事業所得、グレーが資産からの所得、水色が年金や失業保険などの移転所得である。米国は大量失業によって賃金で穴を開けた代わりに移転所得がその何倍もの規模で得られた。中国の賃金減は米国ほど顕著ではなかったようだが埋め合わせるものはなく、スモールビジネスなどの事業所得減も合わせて作った穴がそのまま所得の穴になった。

US China CPI
China CPi2
 中国の個人収入の弱さはやや遅れて物価にも現れてきた。収入が減れば当然不要不急の買い物を減らす。上図が中国のコアCPI(水色)と米国のコアPCE(藍色)であり、これまでは概ね両者連動してきたのが足元はワニ口のように乖離している。下図は中国のコアCPIと一人当たり可処分所得の推移であり、両者が長期的に連動しているのもわかる。
Food CPI
 幸いというべきか、コアに含まれない食品価格も下落している。2019年の豚コレラ騒ぎが収まり豚が育ってきたこともあって、コロナショックがあったにもかかわらず食料価格は下落を続けている。
China Retail Sales
 また輸出や鉱工業生産と比べて一人伸びが回復せず話題になっていた小売売上高は秋以降にようやくキャッチアップの動きを見せている。もちろんベントアップなどなかったので年初来ではまだ前年比▲4.8%である。11月は独身の日の盛り上がりによる分も含まれているようなので、政府の支援抜きで完全な修復コースまで戻れるかどうか要観察である。

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