SPX
 先週のS&P 500はセルインメイ以降の長い4060 -4230レンジを上に抜けた。米国のCPIは前年比5%まで伸びたが金利は低下のペースを速め、その後原油価格が直近高値を更新しようと金利が上がったりインフレ懸念が再び話題になることはなかった。インフレ懸念と金利上昇懸念とは所詮その程度のものである。先週の記事では「4170 -4230の抜けた方に動きやすいか。季節性的に4230の上抜けでポジションを立てて伸びが悪いとストレスになりそうだが、セル・イン・メイのグダグダを上に抜けたとなると、レンジ内で建てたポジションは4170割れロスカットとの兼ね合いでも引っ張ってみるリスクリワードはよく見える」としていたが、果たして4230ブレイク後の伸びは今ひとつであったし、一方調整したわけでも全くなく4060 -4230のレンジ内で建てたポジションを最悪4170割れで切ればいいと思いながらずっと引っ張る分にはほとんどストレスがなかった。

VIX
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 VIXはすっかり10台半ばで定着しており、リアライズドVolも普段よりも小さくなっている。この状況が続けば値ごろ感を見ないリスクパリティの再出動が期待できるかもしれない。シーズナリティ的にここから8月までVIXブローアップは見られづらいとされている(夏枯れ)。
NAAIM
 NAAIMは中途半端なところで停滞しており過熱域に入っていない。まだレンジの印象が強いのだろう。とすればここからレンジ上抜けに適応することになるか。
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 リオープンで個人投資家が一度相場から離れたが、旅行にも飽きたのか再び戻ってきており、小口取引が再び増えている。

 テクニカルはじり高を正当化する。週足は2本目の下ヒゲ陽線となり、先週の4170サポートに加えて4208もサポートに加わる。4208は元々のレンジの上限にも当たるので重要な水準となっており、もしブレイクされたら再びレンジ内の推移に戻るか。それすら見られないとなると逆張りショートは危険であり、多少上に伸びたところで売って買い直すのと比べても、とにかく割れるまで粘ってみるリスクリワードはどんどん改善しているように見える。金利は3月以降の1.5 -1.75レンジを下に抜けたが、そこからレンジ内まで戻すくらいでは金利上昇懸念は再燃しなさそうに見える。

 今週はFOMCが最大のビッグイベントとなる。RRPによる流動性吸収が巨額に及んでいるので一時6月での短期金利引上げ論が盛り上がったがその後再び盛り下がっている。テーパリング示唆開始も6月説があったが雇用統計からは依然明確な示唆がなく、8月ジャクソンホールまで持ち越されそうな雰囲気である。事前のハト化期待が異常に盛り上がるとフルポジで突入するのがややオッズが悪くなりそうだが、そうならない限りは無難なイベントとなるか。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。