6月のFMサーベイは5月からあまり変わっておらず、引続きインフレトレードが優勢となっている。興味深いことに足元の値動きは5月だけでなく6月の回答とも逆行しており、そういう意味で6月の回答は直近に集められた回答と思えないほど、逆噴射している値動きに対応できていない。インフレトレードの沼は深そうである。
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 ポジショニングはコモディティが最も人気であり、素材、銀行、鉱工業とインフレ・シクリカルな面々が続く。不人気なのはテック、キャッシュと債券であり、3つのうち2つは足元で好調である
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 変化で見るとテックの買戻しが優勢となっている。先月の記事で「コモディティの人気が増す一方でにテックは不人気となっており、こちらは陰の極まで来ているのではないかと思われる。加えてキャッシュ水準もリスクアパタイトも最も過熱していた時期と比べると調整しているので、テックを拾い集めることにはあまりリスクを感じない」としていた通りである。インフレトレードの面々は買い足されるわけでもなくただ高い水準で停滞している。一般的にFMサーベイで人気化したからと言って初期から逆張りすると数ヶ月は轢かれてしまうことも多いし、何なら新しく登場したトレードは順張りした方が面白そうだが、今回は珍しいくらい全力で現実から逆走しており一段と危険を感じる。
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 最も大きなテールリスクは引続き「インフレ、債券タントラム」である。現実には債券が逆方向に火を噴いた。

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 上のアンケート通り、キャッシュ水準は再び4%を割り込んで3.9%を付けた。これはBofAの売りシグナル(4%割れは売り)を再び発動させるものであり、過去の例ではS&P 500の1ヶ月マイナス3.2%のリターンを示唆する。
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 株へのアロケーションは61%と高値圏での推移が続く。少なくとも裁量投資家は過去対比でも全力投球が続いていることを示唆する。
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 今後6ヶ月でS&P 500の高値としては5~15%が多勢であり、<10%と<15%を合わせて7割以上を占める。20%以上下落するベアマーケット入りを予想する回答者はわずか2%であった。まさに総強気である。
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 ポートフォリオ運営で最も大きなリスクについてのトップ回答は「株式エクスポージャーを外すのが早すぎてラリーの最後の尻尾を取りそびれること」であった。二番目はリオープンプレイへのエクスポージャーが小さすぎることであり、まさにFOMOである。ディフェンシブヘッジが足りなかったり株式エクスポージャーを落とすのが遅すぎる心配をしている回答者は合わせて3割しかいない。
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 一方、アンケートでの不人気さを反映するようにグローバル債券アロケーションはネットでマイナス69%と2018年以来の低さでの推移が続く。
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 ホットトピックのインフレ論争。インフレが「一時的」であると答えた回答者は72%、永続的と答えた回答者は23%となっている。インフレトレードにお金を突っ込みながらもインフレが「一時的」と認めている参加者が多数を占めているのは興味深い。
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 Fedのテーパリング匂わせが行われる時期についてはジャクソンホールが38%と最も人気であり、続いて9月FOMCの25%、その後Q4が続く。6~7月は思ったより少数派である。
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 最も混雑したトレードはコモディティロングが一挙にトップに立った。今までも触れてきたようにこれは最も値動きが大きかった酸っぱいブドウランキングでもあるので割り引いて見る必要がある。ビットコインについては先月の記事で「半値まで下げたので来月にはランキングが後退していることだろう」としていた通り、ランキングはともかく数値は急速に後退した。テックロングとESGロングにはあまり変化がなかった。

 インプリケーション。金利が大きく低下したにもかかわらず債券へのベアビューは根強く、実際確かに指標金利だけ見るとあまりダウンサイドがあるとも思われないが、一方ここまで債券が不人気(金利上昇待ち)なら金利は相当上がりづらい印象を受ける。金利と一蓮托生である金融あたりも危うそう。テックは予想通り絶賛ショートカバー中でありセクターとしては心配が薄い。しかし株全体で見ると再び前のめり感が強まっており中期的なアップサイドのなさを感じる。コモディティはヒストリカル対比ポジショニングでトップに立って6ヶ月目に入っているが、一方永続的なインフレへの恐怖は限定的であり、値動きもまだ逆に噴火していないのでまだマシに見える。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。



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