NIFTY50

 インドの株式指数が連日のように高値を更新しており、インドのNifty50は7月末時点で年初来23%と、各国指数の年初来パフォーマンスの中で香港に次ぐアジア2位、トルコ、ナイジェリア、アルゼンチン、香港に次ぐ世界5位である。しかし、インド株は好調な経済に支えられたものではなく、2015年の中国株と似たような、ただの低金利バブルであると考える。

インドのGDPは低水準から成長減速


India GDP growth
 インドのGDP成長率は2016年以降一貫して減速しており、特に2017年に入ってからは高額紙幣廃止という政府の暴挙で経済が混乱し、減速のペースが早まっている。それでも「年間を通して見ると中国より成長率が高い」と好意的に報道されることが多いものの、そもそもインドの一人当たりGDPは2016年時点で世界189カ国中144位と下から数えた方が早いため、発射台が遥か上にある中国の6%成長とは意味合いが違う。インドに近い水準の国々では例えば140位のラオスも7%成長である。

海外投資に支えられた経常赤字国

India balance of trade
India current account balance
india FDI
 インドは産業競争力が弱いため、鉄鉱石に恵まれているにもかかわらず一貫して貿易赤字を垂れ流してきた。サービス収支、所得収支、経常移転収支と合わせた経常収支でもほとんどの年で赤字である。経常赤字のファイナンスをひたすら海外からの投資に頼っているため、インフレや米国の金融引締めには極めて脆弱である。

景況感は悪化

 India Service PMI
India Manu PMI
 マークイットが発表するインドのPMIはサービス業(上)と製造業(下)が共に悪化して50を割り込んでおり、景気後退を意味している。

株バブルの原因

India Inflation
India IR
 これだけファンダメンタルズが悪いインドの株式が2017年に大きく上昇したのは、ひとえにデフレによる金融緩和(利下げ)期待のおかげであった。かつてコンスタントに10%台だったインドのCPI上昇率がここもと1%台まで落ち込んでおり、6%台の政策金利が明らかに高すぎであり、引き下げ余地があるように見える。ファンダメンタルズが悪い中での利下げを理由に株が買われるのは2014年末から2015年前半にかけての中国株バブルとそっくりである。もちろん、原油価格が低迷し世界中がデフレを懸念するようになると、元々インフレで苦しんでいる経常赤字国が相対的に改善するのは事実であり、リフレトレードが今ひとつ上手くいかない中でデフレヘッジとなる資源輸入国株に資金が流入したのも理解できる。また米国の利上げが過激なものにならない、というテーマを表現するにも経常赤字国に資金を流入させるのは理解できる。しかしその結果、Nifty 50は経済成長が鈍化、景況感も悪化する中でPERが22と、先進国と比べても割高である。インドが次の中国になるかどうかはわからないが、インフレと米金利が戻り次第、また外部ショックがあり次第インド株が次の(2015年の)中国株になる可能性は高いように見える。 
SHCOMP
2014 -15年、低金利バブルの中国株とその後。

この記事は投資行動を推奨するものではありません。



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