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インド株はバブル : 金利とセンチメントから資産価格を考えるブログ

インドの株式指数が連日のように高値を更新しており、インドのNifty50は7月末時点で年初来23%と、各国指数の年初来パフォーマンスの中で香港に次ぐアジア2位、トルコ、ナイジェリア、アルゼンチン、香港に次ぐ世界5位である。しかし、インド株は好調な経済に支えられたもの


India CPI

  上の記事で解説したように、低水準からの成長が鈍化しているインドで、インフレの鈍化による利下げ期待で株がバブルになっていたが、そのシナリオが今あっさり崩れようとしている。早速インフレ圧力が再び強まっているのである。CPIは6月に前年比1%台を付けてから8月には早くも3.4%まで跳ね上がっている。理由はトマトと玉ねぎの値上がりだ。

タマネギの次はトマト高騰 インド 新たなインフレ対策の敵

インドでトマトの価格が高騰した結果、インフレ圧力が強まっていることが分かった。これまでにタマネギの価格高騰が政府を悩ませていた同国で、新たなインフレ対策の敵としてトマトが浮上している。

 トマトと玉ねぎだけでCPIが1%も上振れするとは何事、と思うが、元々一人当たりGDPが低いなか消費の46%を食料品が占めている。「未発達の輸送インフラや冷蔵施設の不足によって、インドでは毎年、トマト生産量の約16%相当が廃棄される」というのも実にインドらしい話で、トマトを運べる道路くらい作れと思うものの、インフラ投資が軒並み不良債権になる国である。強い実行力でどんどん高速道路や鉄道を作っていく中国とは発展のフェーズがまるで違うのだ。正しいと思っていたシナリオが、構造的に悪い投資環境で一瞬にしてひっくり返るのが新興国である。
IDR
  直近のCPIの回復により利下げ期待が吹き飛び、インド国債が売られて利回りが上昇に転じている。では金利が上がって投資魅力が増してインドルピーが買われると思いきや、ルピーはそれでも売られている。ダブル安は海外資金がインドから引き上げられていることを示唆する。海外勢からすると、産業競争力の弱い万年経常赤字の新興国がインフレになったらもう用はない。日本のような生産力過剰の国がインフレになったらむしろ経済が活性化するが、生産力が弱い新興国はインフレになったら速やかに経済が傷ついていく。

「アベノミクス」から「モディノミクス」へ-日本のインド株投資拡大

投資資金が「アベノミクス」の国から「モディノミクス」の国に流入している。


 こういう時に融資を付けて新幹線を作ってくれる国が現れたらそれはそれは国をあげて歓迎するだろう。新幹線だけでなく、日本から個人の資金が投信を通してインドに流入しているようだが、政治的な理由があるわけでもないのにインドに投資するのは賢明ではない。

この記事は投資行動を推奨するものではありません。



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