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 日銀の異次元緩和の一環である株式買入れで20兆近く保有している日本株ETFを、いつどのような形で処分できるかが長らく心配されてきたが、とある大口個人投資家が本日「ETFを解体して、2〜3年程度保有されている企業が日銀から直接自社株買い出来るようする」とツイートしたことがやや論争を呼んでいる。

 企業が他の株主を無視して日銀保有分の自社株をのみ選択的に購入したら訴訟案件となるため、このような施策は現実的ではない。結論から言うと、出口は(あればの話だが)市中売却しかなく、近道はない。
 公的機関による株式買い支えの出口の前例としては、アジア金融危機に際しての香港金融管理局(HKMA)の外貨準備を使って大規模な香港株買い入れ介入を行った後の後始末がある。アジア金融危機に際して海外投機筋が香港ドルの空売り、更に当局の防衛利上げを見越しての香港株先物の空売りを二段構えで仕掛けていた。それに対して香港当局は1998年夏に外貨準備の18%を使って香港証券取引所の時価総額の6%(1181億HKD, 1兆8660億円)を購入して買い支えた。日銀が購入したETFは東証一部の3%程度なので、それに比べても大きい割合であった。

 この巨大なポートフォリオの解消の顛末は以下のレポートに書かれている。TraHKというETFを作って1999年11月に上場させたのである。それに際して「TVコマーシャルを使った宣伝」「IPO購入者への特典設定(ロイヤリティボーナス)」を利用した。ロイヤリティボーナスは「1年間継続保有すると20ユニットにつき1ユニット」「2年間継続保有すると15ユニットにつき1ユニット」を追加で政府から割り当てを受けられるというものであり、長期優遇を奨励した。

 これを参考に考えると、日銀ETFの場合も、結局は個人にキャンペーンを設定してはめ込むことになるのではなかろうか。金融庁が、いわゆる積立NISAの宣伝に躍起になっており、アクティブ投信のネガティブキャンペーンを張っているのも、個人に日本株インデックスを買わせて日銀の出口にぶつけるためではなかろうか。日銀の購入コストは現水準よりも遥かに安いため、香港を真似て優遇のために数%のディスカウントをつけても問題ない。NISA形式で枠を更に拡張して税収を一部諦めるのもありだろう。出口が不可能ということはない。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。



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