ここもとの全世界のインフレの伸び悩みが興味を引く話題となっており、デジタル化(オンラインストアによる価格の透明化)やグローバリゼーション(低賃金国家からの輸出)、高齢化など構造的な変化が裏にあるという議論が交わされてきた。筆者は長期的にはそれらの要因によってインフレが亢進しづらいことを否定しないが、中短期的にはこの手の話の影響を否定しようと思う。
    米国のインフレは非常に遅行した指標である。米国のCPIコアは6四半期前の名目GDPとよく連動する、という話を小耳に挟み、実際に検証した。その結果、これほど綺麗な連動は見たことがないくらい綺麗に連動していた。
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 ここに、過去20年間の毎四半期の米国GDP成長とCPIコア伸び率を並べて見た。現在のCPIコアとGDPは大して連動していないが、GDPを6四半期ほど遅らせたチャートはCPIコアとほぼ全ての山と谷が綺麗に一致している。実際、相関は82%にも上り、つまり6四半期前のGDPは今のCPIコアの6割以上を説明する。

 この連動によると、2017年春から夏にかけての米国CPIの谷は、2015年秋から冬にかけてのチャイナショックに由来するデフレであり、近いうちに2016年後半からの成長回復を取り込む形で再び上昇に転じると思われる。

 20年間のCPIコア伸び率をy、6四半期前のGDP成長率をxとすると

 y = 0.1726x + 1.2507

 を得る。 

 この結果はまた、(動くものを取り除いていったので当たり前でもあるが)CPIコアが大変安定した数字であることを示している。CPIの低迷の裏には、今のところ何か構造的な変化が控えている訳ではなく、根気よく待つことだけが求められている。もっとも、最新の名目GDP成長率である4.1%を上の式にあてはめても6四半期後(2019年3月)のCPIコアは1.96となり、2%に届くか届かないかであるため、やはり長期的には供給サイドに何らかのショックがない限り大幅なインフレは考えづらい。

この記事は投資行動を推奨するものではありません。



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