1月23日の日銀金融政策決定会合は久々に盛り上がった。1月9日の恣意的な国債買入れオペの減額に端を発した、円高を招いたステルステーパリング疑惑を払拭しようと、
「オペの金額やタイミングは、国債の需給環境や市場の動向などを 踏まえて、実務的に決定されるものです。従って、どのような状況であれ、日々 の国債買入れオペの運営が先行きの政策スタンスを示すことはないと言ってよいと思います」
「あくまでも、適切なイールドカーブを形成する観点から、必要なオペを行うということに尽きますので、その時々のオペの金額や タイミングが金融政策の先行きを示すものでは全くないということです」とわざわざ述べている。ステルステーパリング疑惑を打ち消してほしい人からすれば満額回答だろう。

日銀総裁、金融緩和の継続姿勢を強調:識者はこうみる

日銀の黒田東彦総裁は23日、金融政策決定会合後の記者会見で、物価は「2%の目標になお距離がある」として、大規模な金融緩和を縮小する出口対応の局面に至っていないと指摘、現在の大規模な金融緩和を継続する姿勢を改めて強調した。市場関係者の見方は以下のとおり。●日本株の重し後退、タカ派織り込み一巡も ...

JPY
    これを受けてオペ減額がもたらしたドル安円高がひと段落、、するかと思いきや、しなかった。理由の半分は今のドル円の下落はドル全面安であり、円だけではどうにもできないことだ。
MUFG
   興味深いのは、日本株の強さの一角を支えた銀行セクターが、どうもテーパリング期待で買われてきた節があるように見えることだ。黒田総裁によってオペのシグナリングが綺麗さっぱりに否定されると、銀行株とTOPIXは下落に転じた。それを見て安心したのか、ドル円の下落も加速している。そういえばちょうど悪名高いマイナス金利導入から二周年である。マイナス金利導入時も最初は自棄気味の円安になったが、しばらくすると銀行株の下落もあって株がリスクオフに転じ、結局円高に転んだ。

 丁寧な火消しでも円高が止まらず、むしろ円高株高の線も消えかかっているとすれば、いっそテーパリングを宣言して銀行株だけでもぶち上げた方がましだったのではないか。金融緩和継続への拒否反応は強く、今の政策金利はリバーサルレートよりも低そうなので、テーパリングこそが緩和になり得るのではないか。

関連記事

日銀が再びオペ減額で平地に乱を起こす
リバーサル・レートという今更な概念

この記事は投資行動を推奨するものではありません。