6/1に日銀は再び残存期間5年超10年以下のゾーンの国債買入オペを、前回の4500億円から4300億円と200億円ほど減額した。それを受けて5〜10年ゾーンの国債は買入が減るということで売られ、10時10分の買入れ発表の瞬間から10年金利は1bpほど上昇、長期国債先物は2bpの金利上昇相当ほど下落した。
JGB 10 year
JGB future

 肝心の国債よりも反応が大きかったのは為替である。オペの減額のヘッドラインを受けて日銀の出口政策への連想で一時10銭ほど下落したが、すぐさま反転上昇に転じた。日本株も連れられて上昇。日銀のオペ減額は前日の対EU貿易戦争の悪影響を打ち消し、日本発のグローバルリスクオンのきっかけにすらなった。
USDJPY
 オペ減額を受けてリスクオン、と言えば銀行株主導のTOPIX上昇を想像しやすいが、今回に限っては銀行はアウトパフォームしたものの相場を先導する情熱的な上げというほどでもなく、明らかに為替が先に動いたように見える。「オペの減額で債券市場があまり動かなかった」という事実をシンプルに好感したのだろう。

 日銀のいわゆる異次元金融緩和はただの円安株高を目指す政策であるが、あまりにも金利が低下させても銀行の収益を圧迫してTOPIXの株安要因になるなど、レームダックの様相を呈していた。ならばさっさと止めれば良さそうなものだが、買入れのペースを落としていく出口政策が意識されるとそれはそれで円金利の上昇とともに円高株安要因になるのではないかと恐れられていた。しかし今回は減額しても世間で懸念されていた円高株安にはならず、 逆に円安株高というリアクションになった。この調子でどんどん緩和を縮小していけば銀行も製造業も皆ハッピーになれるのではないか。

 とは言うものの、今回の出来事をあまり過大評価するのも禁物だ。円安というリアクションになるなら次回も減額しやすいはずだ、のような素直でロジカルな見方で日銀の金融政策の先を正しく見通せるイメージはあまりない。日銀からなるべくオペの買入量を使わずに金利水準を現状の0%近くに誘導したい(つまり量を積むのは目標ではなくなった)雰囲気は感じるが、だからと言ってどんどん調子に乗って減額していくほどチャレンジ精神もないだろう。

この記事は投資行動を推奨するものではありません。



コメント

このブログにコメントするにはログインが必要です。