5月末から6月初旬にかけての北米ハイイールド債ETF SHYGの大型解約が一時話題になっていたが、その後北米ハイイールド債が凄まじく買い上げられている。本ブログは自信なさげながらもETFの大型解約はハイイールド債の需給悪化を意味するものではない、むしろ新規の現物投資家の買い集めを示唆するのではないかと推測したが、実際そうだったとしか思えないチャートとなっている。少なくとも巨額のネット売りが存在しなかったのは明らかだ。大型解約を見てハイイールド債クラッシュの予感を持った市場参加者はHYGを実際に空売りするアクセスがなかったことを幸運に思うべきだ。
SHYG Daily
 巨額解約(出来高が大きく膨らんだあたり)の後のSHYGの日足。
SHYG Weekly
 週足で見ると、クラッシュからの戻りは別として、近年稀にみる力強い上昇であることがわかる。
HYG Daily
 買いは短期ハイイールド債からハイイールド債全体(HYG)に波及している。
HY IG spread
 その結果、米国ハイイールド債と投資適格債のイールド倍数(白線、右軸)は急激に低下(コンプレッション)しており、局地的なバブルの様相をすら呈している。
EMB
 一方、高利回り債仲間でありながら、北米ハイイールド債の熱狂の裏で年初から惨憺たるパフォーマンスを示して来たのが新興国ドル建て国債(EMB)である。ETF同士の単純比較では年初から8%近くの差が付いている。なお、ゴールドマン・サックスの2018年七大推奨トレードの一つが「北米ハイイールド債より新興国ドル建て債を選好」であった。