FT investment
 7/16に発表された6月の中国不動産投資は景気ベア派を元気付ける結果となった本ブログの6月の記事では、「中国の固定資産投資の落ち込みが話題を呼んでいる一方、不動産投資の堅調さが目立っている」とした上で、先行指標である土地取得面積が低迷していることから「2018年後半から2019年にかけての不動産投資は盛り下がってくるか」と予想していた。案外早く盛り下がってくるものらしい。
FT 70 cities
 とはいえ、この盛り下がりは不景気で購買力が付いて来なかったからではなく、住宅建設と資金の双方の供給が政府によって人為的に抑圧された結果である。本ブログでは「肝心の消費者はというと、売り切りの更に後の供給不足を見越してか、または政府の規制が始まって買えなくなる恐怖からか、規制が既に始まっていることを考慮すると猛烈な勢いで住宅を買い集めている」「在庫が減って来たのを見て政府が再び購入規制を外した場合、その時に備えてお金を貯めていた消費者はバランスシートを小さくしてしまった不動産企業と面合わせになる」と、供給だけが抑圧されることによる住宅価格上昇リスクを取り上げたが、現に不動産投資の低下を横目に住宅価格の方は前月比上昇のピッチを速めている。70都市住宅価格は6月の+1.1%は2016年の住宅バブル以来、1年9ヶ月ぶりの大幅上昇である。

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