Growth Value
 米株の中でも2月のVIXショックからの立ち直りが早くアウトパフォームし続けて来た、FANGをはじめとするグロース株がここに来て急激に失速している。代わりにここ最近珍しく、バリュー株へのシフトが見られている。
FB
 きっかけは明らかに7/26にFANGの一角であるFB株が一夜にして20%もの急落を演じたFBショックである。FBの急落そのもののS&P 500やナスダック指数へのインパクトは限定的であったし、あくまでも個別企業の悪材料でしかなかった。今まで中長期的に伸びるのは確実で、3%や5%下がっても押し目と思われていたFANG株でも一夜にして20%の損失を被るという可能性が現実化したことが、一部の投資家に降りる決断をさせた可能性が高い。FANGの中で最も堅いAmazonでも10%はともかく、すぐに20%上がると思える人は少数だろうから、リスクリワードが悪化しているわけだ。
Earning Reaction
 毎日高値更新とは言っても0.3%、0.5%と少しずつしか伸びなかったのが、何ヶ月も積もったチリが一瞬でなくなってしまう。期待が高すぎ、また市場参加者が同じ方向にポジションを持っている(Crowded Position)からだ。テクノロジー決算(もっとも今年に入ってからずっとFANG株ロングが世界で最も混雑したポジションだったので、混雑しているからと言ってすぐに下がるわけではないのが投資の難しいところである)
Crowded
 FBに全力投球していない限り、グロース株の投資家は無傷か軽傷であり、リスク許容度は失われていないとようだ。従って降りた後に資金を振り向ける先は債券ではなく、株の中の今まで見向きもされていなかったバリュー株になったわけだ。奇しくも日本でも日銀の長期金利柔軟化期待で万年バリューの銀行セクターが買われている。

この記事は投資行動を推奨するものではありません。