9/27未明にFedが今年3回目の利上げを実行した。中国人民銀行は政策金利の一つである7日リバースレポ金利(市中銀行向け短期貸付金利)において、2017年以来人民元防衛のためかダラダラとFOMC翌日に追随利上げというか対抗利上げを行ってきた。しかしその幅はFedの毎回25bpに対して、2017年3月は10bp、2017年12月と2018年3月は5bpと、どんどん象徴的なものになっている。まるで瀕死の病人の鼓動のような弱り方だったが、2018年3月以降はついにFed利上げに対する追随利上げを放棄し、Fedが2回利上げする間に心電図は完全に止まってしまった。
中国の7日リバースレポ金利は3月以来2.55%に据え置かれている。米国の政策金利は9/27から2.00 -2.25になり、12月には更なる利上げが確実視されているため2.25 -2.50になり、このまま中国のリバースレポ金利が心肺停止を続ければ米政策金利上限と並ぶ。もっとも米政策金利レンジはリバースレポ金利(RRR)をフロア、超過準備付利(IOER)を上限に推移するので、厳密にはリバースレポ金利同士が並ぶのはその次の利上げである。
米中短期金利が急速に収束する中でやはり気になるのは人民元相場である。金利差という意味では人民元は全く投資妙味がなくなってしまう。経常収支も米国の関税で改善を望めない。とはいえ、チャイナショック後の為替介入の成功体験の遺産は残っており、反循環因子が導入された中で人民元の自然落下はしばらく望めないだろう。また目下はチャイナショックの後の中国政府の必死なコミットの遺産である株式と債券のインデックス組込みに伴う世界中のインデクサーが目を瞑って投げ込むFDIインフローも人民元の支えになるか。ただ長い目で見ると経常赤字をFDIで埋めるような新興国に先祖返りするのであれば金融政策の自由は失われるので、資産バブルを今よりも維持しづらくなるだろう。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。