China PMI ISM
 貿易戦争の影響が米中の景況感アンケートに顕著に現れている。図の上は中国の財新(Caixin)製造業PMI、下は米国のISM製造業景況感である。一昨年や昨年はこれら二つは細かい谷までよく一致していた。しかし、米中貿易戦争が始まってから米中PMIは顕著なデカップリングを見せている。
 
 中国製造業PMIはそのまま転がり落ちそうな勢いのチャートを描いているのに対し、米国ISM製造業は60台で高値更新が続いている。米国が関税を掛けるのだから当たり前と言えば当たり前であるが、視覚的にも確認しやすくなってきた。この数年ぶりの大きな乖離は為替か中国の財政出動でしか修正できないだろう。夏の窓口指導QEは意味がないまま終わった。

 本ブログは2017年から中国の引締めを追ってきたが、結果的に中国ネタが日米の株式指数に与えた影響はあっても一時的だった。上海株は今年のワーストパフォーマーになったが、こちらは元々香港のH株と比べて割高なものが穴が空いた風船のように修正しているように見える。逆指標として名高い週間日経ヴェリタスが先週末に一面から4ページも使って中国への不安を煽っているため、このネタは相場としては既に八合目に来ていると思う。

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