ISM Manu
 1日に発表された米国のISM製造業景況感指数は前月から急落。新規受注が急落している。9月に絶好調だった時に本ブログは「あまり評価してもらえない米国の良いISM」で「過去30年のISM製造業を並べてみると、60を超えるような超強気場面の後には毎回1年以内に急落し、50割れかそれに近い水準を付けている」という現象を紹介したが、今回もこの60超えの呪いが効いてしまうのだろうか。

ISM vs Caixin PMI
    元々ISM製造業は中国の財新製造業PMIと連動性が高かった。それが貿易戦争で綺麗にデカップリングが始まり米国ISM製造業の方だけどんどん伸びて60台を付け、一方財新製造業PMIは50割れまで迫った。連動するどころか、むしろ輸入がブロックされた分、米国内の景気が加速すると言う読み方すらできたかもしれない。しかし、そのストーリーはISMが反落するにつれて、また米中株価が連動を取り戻すにつれて薄れつつある。

 と週刊誌っぽく短絡的な話をしてみたものの、高金利に圧迫される住宅建設や貿易戦争といった問題山積な経済環境を考えると、ISM製造業はむしろ相当高い水準を維持している。またこの落ち込みは単月だけの現象で終わるかもしれない。ただ、財新PMIとの非連動が続くとしてもまだ構造不明の60超えの呪いが残っている。一回はファンダメンタルズの過熱が止まる場面も想定してみたい。

この記事は投資行動を推奨するものではありません。