
他の指標が総崩れだった中でも一人堅調だった中国の小売売上高も、先々月、先月と成長率が急落している。本ブログでは反発気味だった9月に数字よりも遥かに悪い消費周りの雰囲気を紹介していたので、小売売上高の数字も時間差を付けて落ち込んでくるのは不自然ではない。高騰する不動産支出(及び支出予定)に圧迫されるに決まっているのだから、むしろサプライズになるのが不思議なくらい自然である。当局が都市周縁部住民にPSLをばら撒くペースを急低下させてきたというのも背景にあるだろう。

合わせてサービス業PMIも悪化を始めているため、落ち込みの勢いは確たるものだ。ただ、中国の景気及び世界の中国関連ビジネスはよくも悪くも中国の消費やサービス業にあまり依存していない。現に小売売上高が大きく伸びている時にもチャイナショックが来た。逆も同じであるはずだ。また、既に来年からの個人所得税減税が決定されているので、バックミラーの消費の落ち込みよりもそちらのインパクトを見極めるステージになるはずだ。
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