
Pension Partnersがアップした今年の各国株式指数のドル建て成績表を眺めていると、かつてもてはやされたBRICsのうちリーマンショックで「先に脱落した」とされたロシアとブラジルがトップにきている。

MSCIブラジルに連動する米国上場ETFは年前半に新興国としてまとめて売られてから急反発しており、全戻しとまでいかなくても9月安値より2割も高い。来年からポピュリストのボルソナロ大統領が爆誕するが、ルセフ、テメルと続いたグダグダなトップよりはましという見方をされている。

MSCIロシアに連動する米国上場ETFを見ると、経済制裁で発射台が低いこともあって2018年は健闘。足元は冴えないものの秋の安値を更新していない。

インドはルピー安に加えてシャドーバンクの不良債権問題、短期間で2度目の中銀総裁辞任というオウンゴールが続いて一人勝ち状態から脱落したが、やはり秋の安値を割っておらず、足元では健闘している方である。

デレバレッジで民営企業圧迫という更に大きなオウンゴールをやらかし、ランキング底辺組になった中国株でさえ、10月の株式担保融資の爆発を最後に一人負けが止まり、秋の安値を更新していない。BRICs四兄弟はどれも秋の安値を更新していない。足元で米株が毎日安値更新を続けているのはあくまでも米株の問題である。また、この地合いの違いは米株が下げ止まってからもしばらく温存されるだろう。
関連記事
早速新興国株のアウトパフォームが始まるパウエルのチキりで新興国株が発射台に
米株の一人勝ちが止まりつつある
この記事は投資行動を推奨するものではありません。