
12月の米株のクラッシュをかすり傷で乗り切った香港株ハンセン指数は1月に入ってから堅調地合いが続いており、12月1週目の、ブエノスアイレスの米中貿易会談からファーウェイ創業者の娘の拘禁の間に付けた高値の手前まで戻って来ている。トランプ大統領のディールが米国内の反対勢力によって妨害され、それが米株のクラッシュを招いた原因の一つになった(妨害されなかったら場味がもう少しましだったので、ルールベース勢のメクラ投げも発生しなかっただろう)わけだが、香港株に限ってはもう少しでファーウェイ事件の消化に成功したと言えるだろう。ただそれまでは12月1週目高値がレジスタンスとなる。

香港上場の中国企業から構成されるH株指数はハンセン指数対比ではややアンダーパフォームしている。こちらもやはり8月以来の下降ウェッジの上限がレジスタンスとなるだろう。8月以来この指数は週足ベースで2度も前回高値の手前で跳ね返されている。三度めの正直となるか、二度あることは三度あるとなるか。ここで綺麗に跳ね返ればレジスタンス手前で売れなかった参加者は相当悔しいはずだ。一方、レジスタンスは水平に近ければ近いほど発射台に転じやすいので、上に突き抜ければだいぶ上値余地が広がりそうだ。
ファンダメンタルズ的には、香港株に限らず新興国全体にFed利上げペースダウンの恩恵が行き渡るはずである。また中国の減税などの財政出動が控えている。

1/17には香港で上場している中国中小不動産業者の佳源国際(02768.HK)がライバル社を道連れに8割下落のフラッシュクラッシュを起こした。17日に償還を迎える3.5億ドル分のドル債の技術的な入金遅れでデフォルトが懸念され、その場合は株式担保融資もクロスデフォルトになるので売りを誘発したと言われる。長期的にはまだまだこういう個別株のトラップが多そうだが、今回に限っては指数のセンチメントには影響を与えなかったようだ。

上海株は最も出遅れており、まだレジスタンスについて議論する局面にない。
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