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 Fedが利上げをしばらく諦める方向に落ち着き、ドル高米金利高への恐怖が払拭された途端に、新興国を中心に金融政策で一息を付こうという機運が広がっている。トップバッターはもちろん1/4にRRRカットを敢行した中国だが、インド中銀(RBI)も早くて今週に「一回限りの利下げ」が取り沙汰されている。HSBCは2019年のフィリピンとインドネシアの利上げ予想を取り消した

 先進国ではオーストラリアも利下げ予想が高まっていた。本日こそRBAは据え置きを発表したが、それがAUD/USDをラリーさせたのも、市場に利下げバイアスがかかり始めていたことを意味している。
 
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 ECBなどは貿易戦争に伴うEU圏景況感の落ち込みから、2019年に始まると言われていた利上げ予想が風前の灯になっているばかりか、5年後のターミナル金利まで下がり始めている。新たなTLTROへの期待が高まっている。
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 1月の記事で「今なら金融緩和を打ち込んでもFedの方も揺らいでいるので米中金融政策格差が目立たず、人民元相場に悪影響を与えない。今までも上海株の下落トレンドと共に準備率を切り下げて来た形となっており、毎回トレンド転換までは効果を持たなかったが、これで「Fedの利上げ停止から新興国が金融政策の自由度を取り戻す」、さらに言うと「金利市場が一人織り込んでいるFedの利上げ停止からパニックだけでなく緩和的側面を思い出す」という連想のきっかけになれるかどうか」と記していたが、果たしてFedのチキりは世界中の中央銀行の金融政策にドミノ倒しに影響を与えている。世界中の引締めから緩和への転換は新興国株式にポジティブと思われる。一方、隙あらば利下げという各国中銀のスタンスにより、ドル安新興国通貨高という展開も考えづらそうだ。

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