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 Nordea Markets Researchが発行するFX Weeklyによると、世界中の個人投資家(ETF投資家)は「狂ったように」中国株ETFを購入している(Retail investors seem to have bought China like crazy in the beginning of 2019)。これは2015年後半から2016年にかけての前回のチャイナショックと大きく様相が異なる。SPDR S&P China ETF、iShares MSCI China ETF、iShares China Large-Cap ETFへの資金流入が共に2018年後半から大きく膨らんでいる。記事によると「グローバルインデックスへの中国株の組込み」という特別要因もあるようだが、いずれにしても「中国への恐怖は2018年末にピークを打った」と言えそうだ。

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 ところでこのETFフローは果たして先見性があるのか、はたまた逆指標に近いのか。2015年前半の金融緩和バブルにおいてもグローバル個人投資家はETFに突撃している。それがチャイナショックを経て2016、2017年には純流出が続いた。この間上海株では盛り上がりに欠ける緩い上昇相場が続いた。2018年初頭はVIXショックをはさんだまま資金流入の波が来ていたが、彼らは全員その後の下落で捕まったはずだ。もっとも本当にグローバルアセットアロケーターが指数への組込みと共に機械的に買っているだけなら、捕まっても痛くも痒くもないのだろう。2018年夏には貿易戦争のためか、資金流入が一回大きく鈍った。組込みフローを差し引くと流出のセンチメントだったかもしれない。そして2018年後半には再び2015年の最盛期並みの資金流入に再び転じている。

 まとめると、グローバルETF資金はバブルに突撃したり捕まったりを繰り返して来た。ETF資金流入の幅だけで見ると2015年の中国株バブルの再来があってもおかしくないが、果たして。

この記事は投資行動を推奨するものではありません。