S&P 500は貿易戦争の収束と中国のクレジット緩和を消化して調整に入っている。前回のS&P 500記事では「問題はたとえリセッション入りしないにしてもこの回復は前例対比でとても急な方に入っているということだ」「テクニカルにはそれでも右肩の2817レジスタンスは健在であり、まだその水準が分水嶺となる」「確かにもう一回クラッシュするための材料は探しづらいものの、見てきた下値と比べるとあまりにもオッズが悪くなっておりチキンレースの範疇に入っている。(中略)EPS↓、PER↑の展開も納得できなくもないが、去年年末の落ちたナイフの手掴みに比べればエキサイティングさに欠けるのは間違いない」「今から誰かに鼻息荒く買い煽られたら「年末や1月は何をしていたのか」と声をかけてあげよう」と、カサンドラのごときノリの悪さで2817レジスタンスがまだ健在であると主張したが、果たしてS&P 500は1ドルの狂いもなく2817で反転した。2817を超えられない限り、テクニカルにはまだヘッドアンドショルダーが完成したままである。それを一気通貫できなそうと見て、下でナイフを拾った参加者が続々と降りているわけだ。
上海株の上げを見てアニマルスピリットに火を付けられた参加者も、明らかに上海株上げの背景が上海株スペシフィックだったため置いていかれている。上海・S&P比率では上海が急速にアウトパフォームしている。
とはいえ、中国のクレジット注入が再開される中で、ここから再び米株がクラッシュしたり長い下落トレンドが始まるとも想定しづらい。ネックラインまでの調整もあるかないかというところではなかろうか。調整もないまま2817をスルーするとやりづらかったところだが、一回調整して2817を万人に意識させた以上は、何かの拍子で再び2817を上に抜けたらまた付いて行けばよく、下げたところでは慎重に拾い直せば良い気がする。
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