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 今年のベストパフォーマーになったらしい中国株を更にシティグループが買い煽っている。しかもよりによって対・米株でである。米株は既に2019年のコンセンサス以上の増益まで織り込んでおり、かたや中国株は年後半の収益回復と、貿易戦争の解決によりブーストする余地があるというのである。

 冒頭の図は「S&P 500 / 上海総合指数」の比率だが、これは2015年のチャイナショック前を始点に米株がコンスタントにアウトパフォームしてきた。そのアウトパフォームのペースは緑の水平コリドーに収まっていたわけだが、足元はコリドーの下限を侵食して下抜けブレイクアウトが徐々に明確になっている。下抜けは上海株のアウトパフォームを意味する。
 
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 ところで本ブログは2018年秋のコリドーの天井にいたあたりからこの比率に注目してきた。たまたま上海 / S&P 500としていたのでシティのチャートとも数字とも天地逆となる。本ブログは2017年の高値から引いたラインが上限までが「非バブル」かと思っていたが、1.25倍はシティの図で言うと逆数の0.8倍となる。米株とはいえ永久にアウトパフォームできるわけないのでそりゃどこかで下抜けはするだろうと思うものの、いざ1.25倍(0.8倍)に行ったらまたパラダイムシフトに見えてしまうから難しい。
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 ところで本ブログが以前取り上げたように、上場企業が公表した重要な大株主による持分削減を集計したWINDによると、2019年の大株主による売却額は足元の3ヶ月だけで2018年の半分(時価総額ベース、赤)に達している。なお以前取り上げたように、MSCIとFTSEの双方の組入れ拡大で全部で125億ドル(840億元)の海外からのインフローが見込めるという計算があったが、足元3ヶ月で既にその4割に当たる366億元の売却をぶつけられたことになる。それでも指数は上がり続けるのだからトレンドの力はすごい。
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 また、超過準備が減ってきており4月は資金需要が逼迫するとの観測から4/17のMLF満期前のRRR Cut(預金準備率引下げ)を見込む観測がくすぶっている。過去に期待される中で期待通りにRRR Cutが敢行された記憶はないし、足元の景況感が底打ち感を出してきていることから必要性も薄いと考えているため、中国株がその織込みで前のめりになっているとしたら分が悪いように見えるが、果たして。

 ただ長い目で見ると、冒頭のパラダイムシフトも頭の片隅に入れておくべきだし、わずか3年前のバブル→クラッシュを繰り返す(2015年バブルから前回の2008年バブルまで遡ると7年も閑古鳥が鳴くブランクがあった)ほど人民の学習能力は悪くないはずなので、調整の押し目はまだ拾っても危なくない気はする。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。