中国景況感の1月底入れ→3月反発が常識になりつつあるわけだが、コマツが公表しているKOMTRAXを搭載する建設機械(ミニ建機・鉱山機械を除く)の一台当たり月間平均稼働時間のデータの中国部分からもそれを読み取ることができる。いまだに中国のデータが信用できないと思考停止している人間が自称プロの中にもいるが、これほどしっかりデータが揃っている経済体もなかなかないのではないか。
使うから買うわけなので当たり前だが、3/31の記事にも載せたショベルカー販売台数もKOMTRAXとよく一致している。
上から不動産投資伸び率、鉄鋼とコンクリートの日次生産量伸び率である。ショベルカーと合わせると明らかに春から不動産開発が加速しているようだ。
上図は建設用地の取得ペース伸び率と政府が棚改PSLばら撒きなどで回収した土地の平均売却プレミアム(Land premium rate)である。取得ペースは決して早くないが、プレミアムは春から回復している。2018年秋はディスカウントとなっていたので、せっかくお金を払って立ち退かせてまとめた土地を地方政府が儲かる水準では誰も落札してくれなかったわけだ。当然不景気のせいである。下図はそれによって土地入札が流れた割合の推移である。ディスカウントが続くと当然入札中止率が上がるが、それが2019年年初から急激に低下している。
最後に中国の中古不動産業者の売り指値を集計したChina City Housing Indexも2018年後半の下落を経て2019年に反発している。
我々は中国の今回の財政拡張を「今までと違う」、公共工事の代わりに減税がメインとなるから2017年のように牽引力にはならないと教え込まれてきた。今の低金利局面は2017年なき2016年にあたるというわけだ。しかし、減税が消費をどうこうする前に不動産業者が真っ先にアニマルスピリットを取り戻したという展開となり、結局いつもの不動産牽引の景気サイクルが再び回り始めた可能性も否定できない。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。