前回のS&P 500テクニカルシリーズは「まずヘッドアンドショルダーなのでもしすぐに2800台中盤あたりまでの反発があったら2900を背に売っていくのが正解になりそう」「グダグダ続きや小さなテクニカルな反発はあり得ても、腰を据えて拾い急ぐ必要はなさそうだ」を結論としていたが、結果としてこれは大きく外れた。メキシコ関税の撤回、Fed利下げ期待への更なる期待などを手がかりに指数は大きく反発した。2900は再びブレイクされ、ヘッドアンドショルダーによる売りサインは消滅した。
ファンダメンタルズは全く楽観視できなかったとはいえ、確かに前回の記事で「逃げ遅れた参加者が少なそう」「リスクパリティファンドは特にポジションを落とす必要性に迫られなかった」「ポジショニングは悪くない」と列挙した通り、需給の悪さは見えなかった。需給が悪くないため「大半の参加者がペインになるには、ここからサクッと戻るか、押し目を拾った参加者が更に音を上げるような下落のどちらかだが、前者はイメージしづらく、後者も今までの驚くほどの下値の堅さを考えるとやや時間がかかるか」としていたが、イメージしづらかった前者となったわけだ。
ここからファンダメンタルズについて、市場のアグレッシブな利下げ織込みに対して6月Fedが満額回答を出してくる可能性は薄そうで、また米中貿易戦争についてもG20でも何らかの前進(交渉再開)などが期待されているようだが今のところ雰囲気は非常に悪い。特に中国側が交渉を長期化させる覚悟で態度を硬化させているのが目立っている。とすると前回の記事と同様、買い上げたくなるような展開はなさそうにしか見えないが、この予想外の上げ(ヘッドアンドショルダー右肩ブレイク)により更にポジショニングがショートにとって都合が悪くなったのではないか。ここから下げに転じても6月安値の2730が遠く見える。一方、仮にファンダメンタルズが貿易戦争で悪化し続ける中で利下げ期待だけで発作的に最高値更新してもそれは2007年パターンに近いので安心して売って寝れる気がするし、ポジティブサプライズのなさそうなG20を前に最高値に近づいていたとしても買いのオッズが非常に悪くなっているだろう。利下げはネガティブニュースにはならないにしろ、貿易戦争で悪化した設備投資センチメントを完全に回復できるものではない。
一方、再び2730を下に切った場合はより大きなヘッドアンドショルダーが完成し、今までの需給の議論を超えるスケールの大相場になっていることを意味するため手放さざるを得ないという結論になりそうだ。2730 -2950の間で情熱の薄い逆張りというところか。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。