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 前回の記事ではレンジ当てのドヤ顔と共に「貿易戦争関連や財政拡張関連の新たにヘッドラインが出ず上値を買い上げるような雰囲気にもならなければ、2820 -2950レンジ継続となるか」としていたが、今週もまずはドヤ顔である。いろんなヘッドラインが飛び交ったが今週に限って言うと再び見事に2820 -2950のレンジ継続となった。「ドイツの財政出動やファーウェイ制裁までの猶予期間の延長などの憶測でむしろレンジ上限の2950で売るのにやや勇気がいるようになった」としていたが、結局2900台は2度目の米金利2y-10yインバートなどもあって伸び悩み、金曜になって中国の第3弾の対抗関税とトランプ政権の第4弾対抗関税示唆で一気に2800台前半までクラッシュした。ジャクソンホールという金融政策イベントもあったが見事に貿易戦争ネタでかき消された。ただ、それでも2820という下限を1日で試すには至っていない。
 
 本ブログでは2950より上をリスクパリティなどが盲目的に買い上げた「勘違いの島」と呼称してきたが、この勘違いの島は本ブログの想像よりも更に重かった。金曜はともかく、ファンダメンタルズ的にはグッドニュースが多かったはずの月〜木ですら島に上陸するような展開にならなかった。やはりリスクパリティファンドが粛々と株ポジションを縮小し続けているのではないか。先週の週足は週後半の反発もあって上ヒゲ陰線にはならず、従って先々週の下ヒゲが効き続けるとしていたが、実際今週はレンジ上限を試す場面もあった。しかしそのトライによって今週の週足は(限りなく実体が重い)上ヒゲ陰線に終わり、下ヒゲの2820サポートの信用は半減した。また大天井からの下落推進波→3週間の見事なボックス調整→下落トレンド再開の流れが見えており、2820を背にした押し目買いは一気に危うくなっている。買いは何かファンダメンタルズに新たな材料が出て2950を再び上回ってからでも遅くない。逆に何もなければ2800台半ばから上は売り場となるだろう。
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 テクニカルな下値余地としては、首の皮一枚になった2820で跳ね返るのが理想ではあるが、あまり期待が持てない。ブレイクが現実的になった場合、次のサポートは前回の記事から変わらず「3月、6月の底が並ぶ2700台前半」となる。貿易戦争が再びすぐ収束に向かわない限り、次の推進波も修正波の3週間と同様以上の期間続いても不思議はない。シーズナリティ(図)も助けにならない。雨が降って固まった地面は再びの大雨で水没しようとしている。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。