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 前回の記事でS&P 500は「金曜のヘッドラインを受けたやる気のない下落はテクニカル的には案外重要であり、これで2度目の最高値を目前とした反転が起きただけでなく、週足でも上ヒゲ陰線となった」「3022を再び超えてきた場合は更に上値余地が広がるが、それまでは跳ねたところでポジション整理というところか」としていた。週半ばには上ヒゲ陰線を下ヒゲ陽線で返すかと思われたが、金曜のNY場中にトランプ政権による中国への投資制限のヘッドラインが流れ、S&P 500が売り込まれたことにより週足は2本目の上ヒゲ陰線となった。「跳ねたところでポジション整理」は完璧に決まった形となる。
 
 今までS&P 500は海外市場の雰囲気から寄付きで勝負が決まることが多かったが、NYの真昼間にボコッと売られることが増えている。前回の記事では「これは直ちに交渉決裂を示唆するわけではないが、株価上昇→態度硬化→株価下落→態度軟化といういつものトランプサイクルに従って反転するか、或いは今回だけは脱出できるかの分水嶺に来ていることは間違いないだろう」としていたが、分水嶺から急速に決裂に傾きつつあるようにも見える。奇しくも10/4は悪名高いペンスの講演から一周年となる。トランプサイクルにはもう一つの解釈もあって、トランプ政権は交渉が期限に近付くにつれて自分の条件をねじ込めるか不安になり、まるでキャバクラのクソ客の追撃メールのように追撃のカードを探して圧力をかけ、それが相手の心証を害する癖があるが、今回も我慢できずに追撃してしまっている。もっとも財務省からは火消しのヘッドラインも発信されている上、中国側はよくも悪くもこれを完全に黙殺しており、本当に決裂に向かうかは不明である。閣僚級貿易協議は10月2週目に開かれる。
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 それより、月曜から中国PMIとISM製造業が発表される景況感週間である。中国PMIは発電用石炭消費量から見て恐らく7, 8月に続いて一時的に堅調で、ISMは今回もいまいちだが今回で底打ちというイメージだが、果たして。
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    ポジション的にはまだまだ軽いままの様子見が多い状況が続いているのではないかと思われる。月中に金利が大きく上昇したのでリスクパリティのポジション縮小も期待したが、ポジションが重くなさそうな上に、そもそも月次で見ると金利も戻ってしまっている。崩れやすい需給には見えない。テクニカルにはこれで週足上ヒゲの3022レジスタンスが更に3008まで降りてくる。日足では水曜の下ヒゲ陽線が台無しにされたため2990もレジスタンスとなる。しかし下を売り崩せそうなイメージもないため、「どちらの方向にも深追いは不要」という前回の観測は継続。なお前々回のS&P記事で取り上げた番外の日本株爆騰だが、9月末の配当再投資ネタが一巡した後は円安への反応も鈍くなって来ており、面白みが後退して来た。

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