先週の記事では「売りはトランプを信じられなかった、ないしは過大評価していた人達の懺悔に巻き込まれる可能性がある一方で、ひたすら高値を追い掛けるのはあまり安心感がない」「上の蓋は取れて先週よりもやや強気になれたものの依然レンジ感覚が優勢である」が、果たしてS&P 500は週前半は懺悔の踏みが先行し、その後はレンジを上に抜けてどんどん上昇するような勢いもなくレンジ内で垂れている。全くよく分からないBrexitについて、ボリス・ジョンソンはEUとの合意を取り付けてリスクオンのきっかけを作ったものの、週末にかけて議会承認が進んでいない。
投資家のポジショニングについては10月になっても大きく変わっておらず大っぴらにディフェンシブに構えているように見える。リスクパリティは先々週の振り落としに際して残り少ない株ポジションを更に落とした可能性がある。一旦下で売った参加者が踏み終わると、元々のファンダメンタルズへの期待の薄さも相まって白けた雰囲気になっている。株が下がって苦しい参加者も少ないだろう。
一方で例えばS&P 500連動ETFのショート建玉も過去最低圏となっており、少なくともETFプレーヤーで踏まれている参加者も少ない。ショートカバーで吹き上がる雰囲気でもない。
ファンダメンタルズにはEPS成長期待の低迷が続いている。その中で株価が上がり続けるには外部環境の改善(貿易戦争停戦やBrexit合意、ドイツなどの財政出動など)ないしはバリュエーションの切り上がり(金融緩和の加速)が必要である。今週も米国企業の決算が続く。
関連記事
S&P 500はレンジを信じた者を救うS&P 500はISMで振り落としをかける
S&P 500はトランプ政権のせいですっかりクソゲーに
S&P 500は7月高値を前に伸び悩む
S&P 500は全ての懸念の壁を駆け上がる
そしてS&P 500はレンジ上限をブレイク
S&P 500は一気にレンジ下限が危うい形に
S&P 500は雨が降って地合い固まる
S&P 500はリスク非対称なレンジを作る
S&P 500は貿易戦争再開でどこまでクラッシュするか
S&P 500はひたすらクラッシュ雨乞い
S&P 500が利下げ織込みすぎから押すな押すなに
S&P 500が結局浮力に負けてしまうか
利下げサイクル開始でドル安に備える局面が近付くか
S&P 500が意外な粘り強さを見せる
下抜けてもやはり煮え切らないS&P 500
新高値に売りありS&P 500の煮え切らない調整
S&P 500の新高値に売りありの法則
Fedハト化でもS&P 500の勢いが止まる
S&P 500が最後の関門を突破
S&P 500がH&S右肩近くまで一気呵成
S&P 500の重要な水準が向こうからやって来る
S&P 500ここから上はさすがに前途多難
ようやく貿易戦争の悪影響の織り込みが終わる
S&P 500のテクニカルの続き
全てがかかっているS&P 500の右肩
米株指数を純粋なテクニカルで見る
この記事は投資行動を推奨するものではありません。