SPX DailySPX Weekly
 先週の記事では「売りはトランプを信じられなかった、ないしは過大評価していた人達の懺悔に巻き込まれる可能性がある一方で、ひたすら高値を追い掛けるのはあまり安心感がない」「上の蓋は取れて先週よりもやや強気になれたものの依然レンジ感覚が優勢である」が、果たしてS&P 500は週前半は懺悔の踏みが先行し、その後はレンジを上に抜けてどんどん上昇するような勢いもなくレンジ内で垂れている。全くよく分からないBrexitについて、ボリス・ジョンソンはEUとの合意を取り付けてリスクオンのきっかけを作ったものの、週末にかけて議会承認が進んでいない。
 
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 投資家のポジショニングについては10月になっても大きく変わっておらず大っぴらにディフェンシブに構えているように見える。リスクパリティは先々週の振り落としに際して残り少ない株ポジションを更に落とした可能性がある。一旦下で売った参加者が踏み終わると、元々のファンダメンタルズへの期待の薄さも相まって白けた雰囲気になっている。株が下がって苦しい参加者も少ないだろう。
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    一方で例えばS&P 500連動ETFのショート建玉も過去最低圏となっており、少なくともETFプレーヤーで踏まれている参加者も少ない。ショートカバーで吹き上がる雰囲気でもない。
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    企業の自社株(発表ベース)のペースは2018対比でだけ遅く、他の年よりハイペースとなっている。投資家からロングもショートも出ないなら自社株買いのフローが全てを轢いていく可能性もある。
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SPX EPS
 ファンダメンタルズにはEPS成長期待の低迷が続いている。その中で株価が上がり続けるには外部環境の改善(貿易戦争停戦やBrexit合意、ドイツなどの財政出動など)ないしはバリュエーションの切り上がり(金融緩和の加速)が必要である。今週も米国企業の決算が続く。
 
 テクニカルには2893の週足下ヒゲは依然ワークしており、なくなったはずの3008レジスタンスももう一度ワークしたため、2893〜3008のレンジ継続と見る。貿易戦争の小康状態になっていることからベアヘッドライン候補は減っており、一方ブルヘッドラインがない限り置いて行かれる可能性も低いため、引続きどこまで深い押し目を拾えるかの勝負になりそうだ。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。