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SPX Daily
SPX Weekly
 S&P 500は引続き2720 -3000の日足レンジ内の推移が継続している。先々週までは概ね2720 -2850というレンジ下半分に収まっていたが、先週は一旦2850を抜けて2950まで付けてから2800台前半まで戻る形でレンジの上半分も一通り試したことになる。「(2720 -2850は)結果論であり、レンジ上限での決め打ちショートはポジショニングが味方しないので依然踏まれるリスクが相応に高い」「一方2850から右肩の3140にかけては依然中長期的には買いの利食いゾーンになり、域内でずるずるとショートに踏まれたら痛いものの買いのニューエントリー水準としては面白くない」のイメージ通りであったと言えると思う。更に中長期的な目線で「何回も動かしたくなかったり、いざという時に逃げ足が遅い指数の長期投資ならここからのアニマルスピリット比べに参加しなくても許される」のは引続き維持する。

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 ファンダメンタルズ的には経済再開への期待と一部企業の決算通過で一時高値を伸ばした。山はすぎたらしいものの、感染拡大が終わらないうちに自棄っぱちで経済を再開したらどうなるか、中国も未経験なのでカンニングできる前例はない。週後半にかけては米中関係にきな臭さが再び漂い始めた。奇しくも昨年の5月も同じような構図でセルインメイに突入している。歴史は繰り返すのか。

 テクニカルには週足が上ヒゲ陰線となり、2950はレジスタンスとなる。本ブログが「3140はとても遠い」という理由だけでエイヤーで決め打ちした上限3000には惜しくも届かなかった。2720 -2850のレンジを上に抜けてから戻って来たという見方をすれば次は下が危うくなりそうであり、2720サポートに再び頼るのはやや危険に見える。
VIX
  もっともVIXは週次で見ると反発したものの依然30台なので、先月のように一気に100ドル、200ドルと突き抜けるイメージもあまり付かず、追いかけて何かするという場面でもないように見える。「2850から右肩の3140にかけては依然中長期的には買いの利食いゾーン」としていたようにポジションはあくまでも高いと思った時に外すものである。
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AMZN
MSFT
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 2月末ほどは露骨に弱く見えないものの、ラリーを先導した大型テックはMSFTは前回高値を前に足踏み、AMZNは期待で高値更新したものの決算後はパッとしない。経済再開期待でとりあえず雷が落ちなそうなナスダックに突撃したものの、ここまで来た後の展望は描きづらいという図に見える。
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 一方、ポジショニングは一朝一夕では変わりようがないので依然売り崩しには不利と思われる。システマティック勢をはじめとする投資家ポジショニングは依然売り切った状態である。
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HYG
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 バリュエーションは当然高いのでここから腰が据えた長期投資はしたくない。その背景には当然世界中の中央銀行の金融緩和があるわけであるが、同じように金融緩和の恩恵を受ける、何ならFedが直接買い支えにも動けるハイイールド債は株対比で息切れがやや目立つ。

 2720 -3000レンジの上半分は中長期にも、また週足から短期的にもリスクの落とし場となりそう。2950を再び上に切れればテクニカルには再び上値余地が広がるがそれでも3140まで売り場が続く。2720を下に切れた場合は2660まで上がって来た週足200SMAが次のサポートとなるか。2660が守られれば中長期的には「一瞬ふらついた」だけで上昇トレンドが守られているという図が保たれるが、再び下に切れると今回の2950までのラリーが「ベアマーケットラリー」だったという解釈になってしまう。もっとも二番底があるなら一番底のようにパーンと値幅が出るというよりは長い低迷になると想像している。1〜2週間レベルでは2660 -2950のレンジを想定。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。