先週のS&P 500は一時続落してから大幅反発となり、先週の記事で示した「2660 -2950レンジ」の上半分での推移となった。貿易戦争再開への恐れから2720サポートすら外したのは完全に杞憂であった。本ブログには小休止するように見えたナスダックへの突撃は続き、ナスダック100で見ると先週引けより高い水準で推移していたのが歴史上13営業日しかないというところまで戻ってしまっている。盛り上がりかけた米中貿易戦争第二波は再び鎮火してしまっているようだ。
相場の強さの背景は明らかにロング不在のポジショニングによるものである。個人投資家のセンチメントは直近の最低レベルを更新している。システマティック投資家も大人しくしている。だからこそ売り手がいない。むしろレンジ継続を見てのVIX低下を受けた買い直しに警戒すべきであり、レンジ上限でも利食いはともかくショートは危険である。
本ブログが一貫して軽視してきた雇用統計も2千万人の失業を示唆したが、例のごとく相場に無視されている。先々月に初めて新規失業保険申請件数が悪化しそうになった時から本ブログは「雇用は一時的に激しく落ち込むのは既に織り込まれつつあるように見え、またそれによる総収入の落ち込みは短期的には財政出動でカバーされる」としていたが、依然気にしたら負け状態である。この「一時的な」落ち込みが数ヶ月後になっても戻らない、という時に初めて大騒ぎになるだろう。
ポジショニングと同様、バリュエーションが異論なく高いのは変わらない。テクニカルには先々週の週足上ヒゲ陰線を実体の長い下ヒゲ陽線で返してしまったため2950レジスタンスが危うくなっている。新たに短い下ヒゲの2800がサポートになってくる。しかし2950 -3140が長期的な売り場であるとの見方も温存する。下半分がいらなかった2660 -2950から2800 -3000レンジに移行するか。レンジの下半分は押し目買い優勢となるが、何かの拍子で2800が下にブレイクされたら逃げる用意も。一方既に危うくなっている2950を上にブレイクされても追いかけたくない。想像できるリスクオフ材料は貿易戦争の再開とCovid 19の欧米のケース数の再増加か。
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この記事は投資行動を推奨するものではありません。