SPX DailySPX Weekly
 先週のS&P 500は依然高値貼り付きとなった。米中対立の煽りでTOPIXやハンセンといった周辺指数は次々と陥落しているが、それでもS&P 500だけは高値圏で推移している。「週足は2950レジスタンスが再確認された状態であり、現水準からなら2950を背に売って踏まれるリスクは大きくないように見えるが、下に走る希望はほとんどなく、値幅はあまり期待できなそうである」としていたが、あっさり2950まで戻ってきてしまっている。
 
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 先週までのグダグダの中でもポジショニングやセンチメントは改善を続けているようである。GSのセンチメントインジケーターは最低圏から反発している。野村の米株センチメント指数も極端な悲観からゼロ近辺まで戻している。
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 BoAファンドマネージャーサーベイの平均キャッシュ残高は最高値から反落しているが、依然高水準である。
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 同じようにGSによるとS&P 500のショート建玉は3月末にピークに畳まれ、再びエントリーされた形跡もあるが再び畳まれ始めている。
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 BoAの投資家サーベイのCrowded Tradesは最近もはや交互にテックロングと米国債の間を行き来しているだけだが、足元はテックロングに傾いている。
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 BoAによると、ヘッジファンドはぶん投げから買い戻しに動いてきた。
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 DBによるとシステマティック戦略の投資家(青)は完全に売り払った後についに買い戻しに動き始めた。本ブログでも再三注目してきたようにシステマティック戦略のポジショニングはあまりにも軽いので、VIXの低迷に従って感情のない買いが蠢動する余地は残っていた。一方、裁量投資家(緑)はぶん投げて少し買い戻した後に再び売り越しに転じている。足元のグダグダはまさに両者のぶつかり合いに見える。
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 GSの株ファンドフローも投信、ETF共にショートカバーにぶつける形で淡々と流出している。
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 バリュエーションは繰り返すまでもなく異論なく高く、長期投資を始める水準としては全く面白くない。BoAクオンツはS&P 500の配当利回りと10年金利のスプレッドは1940年年代以来の高水準となっており、(低金利政策により)株式は割安に見えるとしているが、減益に減配が伴えばすぐ修正される。
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 HYGはその株の割安さ(リスクプレミアムの高騰)を裏付けるようにずっと停滞してきたが、Fedの社債買入れオペレーションが始まると共に上昇が始まった。
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 ファンダメンタルズ的には米中対立の悪材料が続いているが、注目度はずっと低く、ようやく上がり始めたところに見える。損切りが遅れたファンダメンタルズベアはモデルナのワクチンのヘッドラインで一旦畳まれ始めていると思われる(今回が効かなかったとしても今後このようなワクチン踏み上げがいつやってくるか分からないではないかという上席の意見に勝てるベアは少ない)が、その後ワクチンの話題は続いていない。

 テクニカルにはまだレンジが続いている。日足は様々なトレンドラインが引けてブレイクしたり騙しブレイクに終わったりしているが、最も確からしいのは50SMAと200SMAのレンジに見える。すなわち2730 -3000である。2950がまたまたブレイクされたこともあって、前回の記事としていた2670 -2950からマイナーチェンジとなるが、前回記事と同じく一週間以内に上から下までフルレンジをやるとも思っていない。引続き「2950 -3140は中長期的な売り場」は維持する。

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この記事は投資行動を推奨するものではありません。