

先週のS&P 500は突如火を噴いた上海・香港株を受けて高く始まり、それらに振り回されつつも基本的に堅調であった。先週の記事では「基本的には3000 -3165のレンジが継続しそう」としていたが週間を通してレンジ上半分での推移となった。「ショートは(3000)に至るまでに畳まれるべき」としていたものの先週週末対比ではせいぜい1%しか押さず綺麗に畳む機会はなかった。木曜は一時下押ししたもののせいぜい3115までで、動域は3115 -3185となった。


ポジショニングは引続きショートカバーが一巡した後に白けた雰囲気となっている。ボラティリティが下がってシステマティック勢が再出動、というのがずっと恐れられ、ないしは期待されてきたが今のところまだ起きていない。一方ロングもいないので下を掘ってもたかが知れている。

ファンダメンタルズは米銀決算が始まるので、マクロプレイでトレンドを出すのが難しくなるか。Fedバランスシートの規模は引続き縮みつつあり、一部ではそれに連動してきた株式指数の反転を連想する声も聞こえ始めたが、「他の背景でポジションを張ろうにもこれへの逆らいづらさを感じる」ほどではまだないだろう。7/30に切れる現金給付の延長なり打ち切りなりもヘッドラインに上りやすくなってくるか。
暴落して以降の米国人気セクターETF動向。pic.twitter.com/omZyFhJrZw
— 村越誠@投資資本主義 (@Makoto_Mura) July 10, 2020
テクニカルには、浅い押しで下値を確認したというところで反転して週足が下ヒゲ陽線となった。3115まで週足サポートは上昇してくる。6月初旬の雇用統計アイランド以来、上値を追いかけてもいいことがなかったので、引続き買いはあくまでも押した時に限定したい。一方いまだにアイランドを回復していないものの、6月後半以降のレンジの上値の蓋はじりじりと削られておりショートも張りづらくなった。村越さん提供のセクターごとの格差では6月の雇用統計アイランドまでは一斉に上昇してきたのが、アイランド後は伸び続けるセクターと脱落するセクターの格差がやや鮮明になっている。ということはやはり雇用統計アイランドはまだまだ相場の一つの節目として解釈する余地があり、どうせ過剰流動性の大相場にはならなそうなので押し目買いもアイランドの手前で回転したいところ。急に中国株の大相場化によって米株もやや大らかになってきている気がするが、今週も中国株には引続き振らされやすいかもしれない。2970や3000といった以前意識していたサポートから一気に近くまで上がってきたが3115を何らかの拍子で下に抜けた場合は再びクラッシュを意識することになるか。暴落して以降の米国不人気セクターETF動向。 pic.twitter.com/Xn4bybcy9X
— 村越誠@投資資本主義 (@Makoto_Mura) July 10, 2020
関連記事
S&P 500は再びレンジプレイに戻るS&P 500は経済再開・V字回復期待が剥落
S&P 500はアイランドに頭を押さえ付けられる
S&P 500のショートカバーが取り残されてしまう
S&P 500は全員参加型ショートカバー
S&P 500は踏み上げ相場が続く
S&P 500は依然グダグダが続く
S&P 500はグダグダ相場が続く
S&P 500はショートカバーで浮上
S&P 500は上値の重さを確認
S&P 500は引続き面白くない高値レンジ
S&P 500はアニマルスピリットを取り戻し始める
S&P 500は既に十分な戻り幅を実現
S&P 500がようやくあまり動かなくなる
S&P 500は無制限QEに押し流される
S&P 500は流動性枯渇との戦い
S&P 500はVIXが50を超えるニューノーマルへ
S&P 500の持込み可試験はそろそろ終わる
S&P 500は教科書二冊持ち込み可の試験
S&P 500は再び天井サインが点灯
S&P 500は新高値に釣られず様子見
S&P 500のバーゲンセールを期待
S&P 500は10月以来の調整入り
S&P 500は引続きメルトアップ
S&P 500は引続き座して押し目待ち
新年のS&P 500
S&P 500は年末を前にメルトアップ
S&P 500はユーフォリアか出尽くしか
S&P 500は一瞬だけ調整を見せる
S&P 500は外部環境を最後まで無視し切れるか
S&P 500は高値圏でグダグダ
S&P 500は最高値でこそ長期投資を始める流れに
S&P 500は売りをこなしながら更に上値を試す
S&P 500は本当に新高値に売りなしに
S&P 500は万人の期待に反してサプライズ上抜けへ
S&P 500はやる気なくレンジ継続
S&P 500はレンジを信じた者を救う
S&P 500はISMで振り落としをかける
S&P 500はトランプ政権のせいですっかりクソゲーに
S&P 500は7月高値を前に伸び悩む
S&P 500は全ての懸念の壁を駆け上がる
そしてS&P 500はレンジ上限をブレイク
S&P 500は一気にレンジ下限が危うい形に
S&P 500は雨が降って地合い固まる
S&P 500はリスク非対称なレンジを作る
S&P 500は貿易戦争再開でどこまでクラッシュするか
S&P 500はひたすらクラッシュ雨乞い
S&P 500が利下げ織込みすぎから押すな押すなに
S&P 500が結局浮力に負けてしまうか
利下げサイクル開始でドル安に備える局面が近付くか
S&P 500が意外な粘り強さを見せる
下抜けてもやはり煮え切らないS&P 500
新高値に売りありS&P 500の煮え切らない調整
S&P 500の新高値に売りありの法則
Fedハト化でもS&P 500の勢いが止まる
S&P 500が最後の関門を突破
S&P 500がH&S右肩近くまで一気呵成
S&P 500の重要な水準が向こうからやって来る
S&P 500ここから上はさすがに前途多難
ようやく貿易戦争の悪影響の織り込みが終わる
S&P 500のテクニカルの続き
全てがかかっているS&P 500の右肩
米株指数を純粋なテクニカルで見る
この記事は投資行動を推奨するものではありません。