

先週は朝一からファイザーのワクチンのヘッドラインに翻弄された。先週の記事は目線を上に変え「小休止を経て3550をも上にブレイクした場合はVIXによるシステマティック買いの押し出しとシーズナリティから付いて行かざるを得ない」としていたが、週明けから飛び付く機会もなかった。もっとも、その後は経済再開が株高に直結するという解釈には必ずしもならなかったようであり、ウェイトの大きいテック株を中心に調整に押されたため指数も調整に巻き込まれた。もっとも3550近辺はさすが突破した保ち合いの上限なだけあってサポートとしても強力であり、3600台からの下落を難なくキャッチした。

ファンドフローとしては近来ないペースで株への流入が加速している。1週間で44.5 bio USDが投げ込まれたとのことである。

これを裏付けるようにGSのセンチメントインジケーターは一気にブルに傾いている。投資信託の投資家はワクチンのニュースで強く鼓舞されたようである。


ファンダメンタルズ。高頻度データを見ると景気の回復は一服している。

夏の指数の上げを裏付けたシティエコノミックサプライズも反落している。もっとも絶対値は依然高い。しかし現実に起きているのはあくまでも債券安株高であり、足元のファンダメンタルズの調整入りはあまり材料視されていない。ワクチンに期待して将来まで射程に収めるか足元のロックダウン懸念をプレイするかで日替わりしている上に、どちらが株高要因かまであやふやになっている。

テクニカルには9月以来のトライアングル保ち合いが上にブレイクされた形となる。3600台は流石に重かったが3500台の押し目買いの強さにより週足上ヒゲ陰線にはならず、調整が長引くパターンは示唆されていない。とはいえ出来高を見ると3600台を掴んだ参加者もそれなりにいるため、3600台は天井にはならなそうとはいえそれなりの重さも見せる可能性がある。とすると短期的には3500 -3650のレンジをイメージすることになるか。

VIXはイベント通過後の低下が止まらない。指数が多少調整したところで30台は遠そうに見え、とすると何も起きなければシステマティック系の買いが押し出されそうに見える。年末までのシーズナリティも相まって値ごろ感ショートは引続き禁物である。

金利は引続き高止まりしているが、インフレ耐性のないハイイールド債すら金利上昇で崩れていないのに、金利の高止まり「によって」株が崩れると期待するのは分が悪い。リスクオフがやってくるとすればあくまでも金利低下と共にではないか。
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