先週の記事でS&P 500は「短期的には3500 -3650のレンジをイメージすることになるか」としていたが、実働域は3544 -3628とレンジをやや狭めた形となった。ヘッドラインとしては月曜のモデルナ、水曜のファイザーからそれぞれワクチンのニュースが出ているが、どちらも指数の株高要因としては一時的なものにとどまった。10月の小売売上高は先週の記事で取り上げた高頻度データが示唆する通りやや滑っている。
基本的にマクロ環境の改善は一服している。
冬入りに伴い米国でコロナの再拡大が目立っており、NYC公立学校の再閉鎖が株安要因となった。金曜には財務省がCAREs ActのためにFedに供与した資本金の返還を求めているとのヘッドラインが炸裂したが、Fedが早々と屈服したことにより当局同士の対立が懸念される展開にはならなかった。
野村によると、CTAのS&P 500ロングポジションは過去対比38%とやや平均より軽く、上で踏まされたり追いかけるほど軽くはないが、コストまでも余裕があるので押し目では買い余力がありそうである。セクターではあくまでも一進一退ながらシクリカルへのシフトが進んでいる。センチメントは既に十分ブルであり、先ほどの繰り返しとなるがマクロ的なサプライズで上を追いかける余地はあまりなさそうに見える。上を追いかける場面があるとすればもう少しバブル確信犯的なものになるだろう。
Fedのファシリティ中止にも繋がった財政刺激策取りまとめの遅れはもう少しリアクションがあってもよいと思うが、それを手掛かりにショートを張るほどではない。
ショートポジションはほとんど炙り出されており、ショートカバー圧力はあまり大きくない。
テクニカルには週足下ヒゲ陽線に上ヒゲ陰線を被せた形となる。「出来高を見ると3600台を掴んだ参加者もそれなりにいるため、3600台は天井にはならなそうとはいえそれなりの重さも見せる可能性がある」としていた通り3600台は重かった。3500 -3650のレンジは続いているがどちらに抜けるか。上に抜けた場合はもう少し視野が開けそうであり、再び3500割れがなくなる前提で追いかけないとその後の対処が難しくなりそう。一方下に抜けても下では押し目買いの方圧力の方が大きそうである。3430近辺で推移する50SMAは9月以来の巨大なレンジの中で毎度空気のように上へ下へと通過されてきた。とはいえ一旦突破された元々のトライアングルの上半分はあっても押し目で終わるではないかと思われる。
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