


先週のS&P 500は米国の財政協議とBrexit協議という二つの政治的な茶番に振らされる週となった。FBが独禁法違反で提訴されたのをきっかけに週半ばにアウトパフォームしていたナスダックが利食いに押されて崩れ、更にBrexitの悲観的なヘッドラインが下値を叩いたが、日足ベースでは下を叩いても押し目買いに跳ね返される展開となっている。元々「3650をブレイクしたら付いていかないとその後の対処が難しくなる」としていたが、現実には3650近辺でウロウロしてしまっている。もっともサポートとしていた3600はまだまだ遠い。

VIXは指数の調整と共に20近辺から跳ね返っているが、この程度の上昇ではハチの巣を突っつくことにはならないだろう。

野村によるとCTAは(ダウやラッセルから興味をシフトする形で)再び高値圏でナスダック先物のロングを積み上げている。もっとも8月ほどは極端に積み上げていないようであるが、コストがどんどん上がっていくのも厭わない買い方のようである。今更春や夏のように(ワクチンや財政などの)ファンダメンタルズのグッドサプライズで1日に何%も上がることはなさそうだしショートカバーの需要もたかが知れているので、指数の上値追いはこういう確信犯的な買い上げにかかっているようなものである。
テクニカルにはナスダックの調整でナスダック中心の確信犯的な上値追いにやや水を差された形となるが、やや下がったところでは日足が下ヒゲ陽線を連発しており、またその結果週足上ヒゲ陰線も回避された。3600は引続きサポートとなるのでまったりと構えるのが吉か。Brexitなど政治的なヘッドラインでは下を叩き切れなそう、というより下を叩くとナスダックが浮いてきそうである。米金利はしばらくぶりの勢いで低下してきているためリオープンプレイはやりづらそう。FOMCに向けては期待が先行しそうであるが、クレジット周りのファシリティ終了と引き換えに金利・量の方で何らかのアクションがないと失望されやすいように思えつつも、先週末から金利の方の悲壮感がなくなったため金利上昇・株バブル崩壊の組合せは遠のいた気がする。Brexitは12月に入って急にHard Brexitリスクが高まっているが、なったら押し目ができるという程度のインパクトに終わりそう。ただ利食いが待ち構えていないSPACなど有象無象のような勢いでGAFAなどもカチ上げられないかなと期待しようにもそういう予感も特にせず、押し目でショートをトラップしないまま上方向に向かったところでせいぜいじり高か。
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